16

文字数 299文字

「大丈夫か?」
 俺はミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、フタを開けて糸魚に渡そうとした。そのとき、糸魚が急に俺に抱き着いてきた。
「うおっ!?」
「もー!! そんなに優しくしてくれるのは、先輩だけですっ!! うわーん!!」
 もしかして、こいつ下戸な上に泣き上戸?
「おーおー、大丈夫だから、な?」
 泣き出した糸魚の背中を、俺がとんとんと子どもをあやすように叩いてやると、糸魚ぽつぽつと話しだした。
「僕、サークル以外だとずっとぼっちで、友達もいなくて……根暗だし、いいところもない……」
 あー、ネガティブモード発令か。しょうがないなぁ。俺は……。

・そんなことないぞ→17へ
・根暗で何が悪い→19へ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み