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文字数 432文字

「うめぇな」
「って、サラミとチーズしか食ってねぇだろ」
 羽田に言われて気がついた。あっ、いけね。いつもの癖ってわけではないが、酒のつまみでよく食べるサラミとチーズばっかり口にしていた。他の料理っぽいものに箸をつけていない。
「唐揚げも食べてくださいよ! なかなかオススメッスよー!」
「肉じゃがもよかったら」
「……昆布巻、取りますか?」
「あ、いや、大丈夫だ。どれも自分で取るから」
「俺、言ったよな? みんなの料理も褒めてやれよって」
羽田に小声で言われ、ぎくりとする。後輩が持ってきた料理を一切褒めないっていうのは先輩としてどうなんだ。
「だって、サラミとチーズがあるから……」
 言い訳にもならない言い訳をすると、羽田はふんと鼻を鳴らした。
「まぁ、酒のつまみにはこういうのが合うとは思ったけどな」
「あ、これお前が持ってきたのか?」
「そうだよ。もう3年以上の付き合いなんだから、お前の好みくらいわかる」
「あのなぁ……」

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