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文字数 444文字

「心配だ……俺も行くわ」
「ああ」
 羽田に他のメンバーを任せると、俺は靴を履いて糸魚を追った。
 すると、案の定。糸魚は、数100メートル先の植え込みのところで、ごろんと横になっていた。言わんこっちゃない。
「おい、糸魚! そんなところで寝るな! っていうか、酒弱いんだったら無理に飲むことないんだからな?」
「うーん……酒は好きなんです。ただ、すぐ酔っちゃうだけで……」
「余計にたちが悪い」
「すみません」
 起こすと、持ってきたミネラルウォーターを飲ませる。こいつがこんなに手がかかるとは思わなかったな。いつも落ち着いているし、物静かだから、こんな醜態晒すなんて予想外だった。
 水を飲ませると、またバタンと植え込みに寝そべる。
「おーいっ!」
「いいじゃないっすか。先輩も横になりませんか? ……桜が、すっごくきれいですよ」
 俺は溜息をつく。少しこいつにつき合ってやるのも悪くないか。糸魚の隣に座ると、俺も空を仰ぐ。糸魚の言う通り、満開の桜はすごく美しくて……まるで春の夜の夢みたいだった。【END】
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