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文字数 444文字

「お前……もしかして、川上のこと?」
「おぉぉ!?」
 俺が核心を突く質問をすると、堀川も盛り上がる。でも素直に白状するとは……と、思っていたら、羽田は顔を赤くして、ぼそっとつぶやいた。
「なんだよ、悪いかよ」
 嘘だろ、マジか! っていうか、よっぽど酒が回ってるのか? と言っても、羽田はそんなに簡単には酔わないはず……本当に卑怯だな、酒の力を借りて告白かよ。でも、告られた川上も照れたように無言でサワーを飲んでいる。なんだこの甘ったるい雰囲気。俺はどうすれば……と困っていたとき、堀川が助けてくれた。
「ここはカップル誕生ってことで、また乾杯しましょうよー!」
「あ、そうだな、それがいい。ほら、川上と羽田も! それじゃ、カンパーイ!」
 初々しい川上と羽田の様子を見ていると、なんだか和んでくるな。一昨年、去年はなんだかんだで色々あってこうやって飲む機会も、そもそも会う機会もなかったんだから、こういう場で告白するのもなくはない……かな? 桜の下の宴会は、だんだんと盛り上がっていった。【END】
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