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文字数 398文字

「俺だってお前の好みくらいわかってるよ!」
 啖呵を切ってみるが、合っているかわからない。確か、羽田は好きだと思ったんだけど。だからこれを選んだんだが……。
「わかっててこれか」
 羽田が、俺の持ってきた漬物盛り合わせを見て笑う。
「……嫌い、だったか?」
「いや、わかってるなーと思って」
「くっ! 脅かすなよ! お前だったらきっと、あっさりめのつまみを欲しがると思ったんだよ!」
「正解だ」
 本当に羽田ってやつは。気を利かせてくれるのはいいところなんだが、たまに変ないじわるをしてくるんだよな。それでも付き合いがそこそこ長くなるにつれ、以心伝心できてきているところが若干不気味だったり、心地が良かったりするのだが。
「お前は、みんながどんな料理を持ってくるかわかって、漬物を持ってきたんだろ? 漬物を持ってくるやつ、うちのメンバーじゃなかなかいないからな」

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