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文字数 262文字
飼い慣らしたはずの
感情が
時々牙を剥いて
やってくる
怒りや悲しみや
喜びや幸せが
ごちゃ混ぜになって
押し寄せてくる
涙もろくなったのは
目の前の現実を
俯瞰して
受け入れられるくらい
たくさんの経験を
してこれたから
見過ごしてきた
見ないフリした
過ぎ去りし日々や
物事の意味と
向き合うには
若さと無知が
邪魔をしていたから
感動も不安も
もっと大声で
叫び散らしたら
楽に過ごせただろう
でもあの頃の
自分には
そんな押し殺した
感情に流されるほど
強くなかった
深く深く閉じ込める事で
自分の居場所を
守ってきたから
この涙の扱いに戸惑いながらも
また少しずつ
大人へと近づきたい