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文字数 679文字



理想と現実と聞いて
君は何を想像する
僕にとっては
ついこの前まで
年を追うごとに順調に育って
だいたい思い描いてた
同じ高さのビルだと思っていた
でも気が付いたんだ
その言葉の間に
底が見えないくらいの
深い溝があって
そしてその溝はだんだんと
離れていってたんだ
ニューノーマルに滑り込んで
理想通りの転職したはずだった
なのに蓋を開けたら
僕の居場所がない
僕の予想を遥かに超えた
複雑な会社だったから
それでもやる事を見つけては
それなりのアシスト
しているはずなのに
今までのキャリアでは補いきれない
根回しの世界がそこにはあった
同じ時期に入った
同い年代の同僚は
みんなに頼りにされて
座る時間もないのに
いつのまにか僕の仕事も
終わらせてくれてる
その人はなぜか出世役がないけど
多分僕以上に仕事もできて
周りの信頼を勝ち取っている
僕の手に余る事が
たくさんあるけど
役職付きで入った手前
できないとは言えない
陰口を言われていても
聞こえないふりしながら
何とか居場所を作り出す
でもそろそろ僕の小手先だけの
ハリボテの仕事がバレかけている
テレワークで逃げながらも
真面目な同い年の同僚が
僕が隠れている場所を刈り取っていくから
わかっているさこのままじゃ
僕にとっても会社にとっても
良くないスパイラルだと言う事
でも40を過ぎた今の僕に
この先をどう生きればいいか
飛び降りるにはこのビルを
高くし過ぎて後退りしてる
どこで間違えたのか
分からないけれど
とりあえずもう少しだけ
ここにいさせて欲しい
その間に僕にできる事
見つけ出す努力はするけど
それでも見つけられなかったなら
その時は潔くその会社をさるよ
もうすぐ3年目だから
退職金が出る頃にでも

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