みんな「ミラー」って呼んでるけど、マサはお父さんがイギリス人だからミラーはミドルネームなの
いいじゃないの~。ミドルネーム持ってるなんて、私たちからしたら羨ましい事よ…
紗奈さんにいきなり名前で呼ばれた私は少しくすぐったい気持ちになった。
そうだ! ねぇ、鏡子ちゃん。
今日の夕飯、鍋の予定なんだけど一緒にどう?
鍋は人数多い方が楽しいし、歓迎会も兼ねて…いいよね? マサ??
あぁ、もちろん!
じゃあ、買い出しとか準備とかあるから、7時に僕たちの家に…
えぇ~!! 6時でよくない?
楽しい時間は少しでも長く一緒に楽しみたいし…。
分かった、分かった。
そもそも最初っから、僕に決定権なんかないだろ?
へへへ~。そういうコト!
じゃあ、鏡子ちゃん、6時に我が家で…
はい!
あっ、何か持って伺いたいのですが、紗奈さんお酒とか飲まれますか?
えっ!? いいの?
私ね、お酒大好きなの…。
やったぁ~
ったく…勘弁してくれよ。
また今日も紗奈は酔いつぶれる気だなぁ~?
へへへ~未来のお医者さん。
介抱よろしくお願いします
えぇぇ!!
マサ、嘘でしょ!?
信じられない!!
私がお酒大好きなの知ってるクセに
いやいや、家での紗奈の飲みっぷりを知ってるからな…
そう言いながら、ミラー先輩に腕を絡ませる紗奈さんを羨ましく思った。
そう言いながら、顔を赤くするミラー先輩はクールで聡明ないつもの先輩とは違い、今まで私が見たことがない優しい笑顔だった。
紗奈さんの腕をほどこうともせず、恥ずかしそうに顔を背けるミラー先輩を見て、私の胸の奥で何かがチクリと刺した。