第8話 紗奈との出会い
文字数 545文字
映画サークルに入って初めての集まりのとき紗奈は僕の隣に座った。
わざと彼女に合わせて、一緒に答えた自分が恥ずかしくなり、下を向きながら頭をかいていた。
どう返答すればいいのか分からず、戸惑っていると、彼女はカバンから小説を取り出し大事そうに撫でた。
そう言いながら、にっこりと笑う彼女の笑顔につられて、僕も自然と笑顔になっていた。
その日以来、僕が映画を見るときは必ず隣に彼女がいた。
本の話、映画の話を含めて、彼女は本当に気のあう最高のパートナーだった。