第37話「ぼくを探しに」
文字数 512文字
シルヴァスタインの「ぼくを探しに」という本がある。帯には、「大人のための絵本」とかあったのは気のせいか。
この「ぼく」は、丸い線と、三角の線だけの存在である。丸の中に、点がひとつ。この丸は顔で、点は眼。横顔なのだ。三角の部分は空間になっていて、口のようである。
〈 何かが足りない それでぼくは楽しくない 〉
から始まって、
「足りないかけらを探しに行く」物語。
この「ぼく」は、道を転がって行く。途中、三角を見つけ、その口にふくんでみる。四角いのを、口にはめてみたりする。どれも、しっくり来ない。
やっと自分に合う三角を見つけたが、きつくくわえすぎて、壊してしまったりする。
しかし、ようやくこれはまさにぴったり合いそうな三角と出会う。はめてみると、ほんとうにピッタリだ!「ぼく」は歓喜する。
だが、足りないかけらが埋まったために、「ぼく」は歌が歌えなくなる。丸そのものになったので、転がるスピードが速くなり、花や蝶と戯れることもできない。
次第に、「ぼく」はつまらなくなる。
「なるほど、つまりそういうことだったのか」と「ぼく」は考える。
「ぼく」は、せっかく出会えたかけらをそっと置き、また転がり始める…
いい話ではないか。
この「ぼく」は、丸い線と、三角の線だけの存在である。丸の中に、点がひとつ。この丸は顔で、点は眼。横顔なのだ。三角の部分は空間になっていて、口のようである。
〈 何かが足りない それでぼくは楽しくない 〉
から始まって、
「足りないかけらを探しに行く」物語。
この「ぼく」は、道を転がって行く。途中、三角を見つけ、その口にふくんでみる。四角いのを、口にはめてみたりする。どれも、しっくり来ない。
やっと自分に合う三角を見つけたが、きつくくわえすぎて、壊してしまったりする。
しかし、ようやくこれはまさにぴったり合いそうな三角と出会う。はめてみると、ほんとうにピッタリだ!「ぼく」は歓喜する。
だが、足りないかけらが埋まったために、「ぼく」は歌が歌えなくなる。丸そのものになったので、転がるスピードが速くなり、花や蝶と戯れることもできない。
次第に、「ぼく」はつまらなくなる。
「なるほど、つまりそういうことだったのか」と「ぼく」は考える。
「ぼく」は、せっかく出会えたかけらをそっと置き、また転がり始める…
いい話ではないか。