第56話 大江健三郎の「遅れてきた青年」は

文字数 267文字

 新潮文庫の裏表紙、そこにある簡略なあらすじ通り、「戦争時代」に遅れた青年の心情をあらわした物語であるらしい。

 まだ半分も読んでいないが(けっこう分厚い)、「戦争は、終わってしまった」のだ。国のため、天皇陛下のため、その御心のために、死ねば、英雄になれた、という幻想のもとに生きる、少年時代の頃の話を、今読んでいる。

 もちろん戦争は終わっていない。「企業戦士」という言葉もあった。ほんとうに兵器の飛び交う戦争後も、このくにの人たちは、「会社のために」尽くしていた時代もあったのだ。

 現代、「自分のために」戦っている人々が、多いような。
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