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文字数 466文字



無性に空に触れたくなって
誰もいない屋上に忍び込む
両手を広げて受け止めた大きさは
誰をも受け入れていれる優しさと
誰をも受け入れないその強さに
満たされない僕の心は
空の雫を受け止めるだけで精一杯で
立ち尽くし続けるしかなかった
足りないのは大き過ぎる夢や希望を
足元に広がる全てのもので
受け止められないと勘違いして
この世界じゃないと生きることが
できないと思っている事だった
どんなに頑張っても報われないとか
くだらない事に囚われて
この世界以外で生きていける人を
ただ羨んだり ただ蔑んだりして
自分を真正面で受け止めることすらしないで
幼さに気づく事もなく突っ走ってきたんだ
でも遠回りしたから気づく事もできた
大人になる前に誰の前にも壁があること
だからそんなに小さくないこの景色が
紡ぐ物語へと冒険してみたくなった
ここを飛び降りた先で何が待ってるのか
きっと誰も知らなかったはずだけど
みんな迷いながらも勇気絞って
がむしゃらにやってきたから
あんなに笑顔が輝いているんだって
いつしか思える日が来ればいいなと思う
その時はこの空を受け止めよう
負けないくらいの両手を広げて

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