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文字数 319文字




誰もいない部屋に置かれた
君の温もりがもう消えた
2人で初めて出かけたあの日に
君へと送った小さな置物が
寂しげな顔して僕を見ている
どこかで掛け間違えた
日々の歯車が少しずつ軋み出して
いつの間にかすり替わっていた
出会った頃の笑顔を向ける
相手は僕じゃなくなってる事に
気づかない愚かな僕はただ立ちつくす
君がついた嘘と起こった現実だけが
この部屋に僕と一緒に取り残された
欲しいのは偽りの言葉じゃなくて
謝罪でもなくて本当の気持ちだったのに
僕は何を見ていたんだろう
音もなく崩れ去っていく
君との時間が思い出せない
あの温もりもあの笑顔も
君には全然特別じゃなかったんだね
恐ろしいほどに乾く喉に
流し込む強い酒浴びながら
返ってこない答えに問いかける
月の光に照らされながら


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