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文字数 355文字
久しぶりに出歩いたから
喉が渇いた事をいい事に
通りすがりの街角の
オープンカフェの一角に
座り街を眺める
この前まで当たり前だった光景が
今日もあまり変わらずに過ぎていく
我慢の限界を超えた自制心は
せっかく築いたたくさんの優しさを
何事もなかったかのように
歪みを直すかの如く
蹴散らしながら急足で皆どこへ行く
そしてこの見えない侵入者は
嘲笑いながらそんな僕らの背後で
最後のトリガーを引いては
手招きして狙っている
僕らはもうどこにも行く場所がなくて
僕らはいつまでも見えない敵と戦って
僕らは最後にもうやけっぱちになって
僕らのこの先はいったいどこへ向かうの
冷たいコーヒーを飲み干して
ニューノーマル貫いてマスクの下
今日も楽しみをウチに秘めながら
なんとか息をしてとりあえずゆっくり眠ろう
明日を迎えたらどうしようかと
明日を迎えたらまた考えよう