第151話 普遍の関係 Bパート

文字数 7,963文字


 せっかく優希君からたくさんの気遣いと優しさを貰って、とても温かな気持ちと共に前向きになって帰って来れたのに、またお父さんが全てを台無しにしてしまう。
 どうして優希君だけがこんなに優しいんだろう。私は一人部屋の中に干していた傘をさす。優希君とはデートを重ねる度に、私の恥ずかしい一面を見つけては喜ぶなんて言うイジワルな一面もあるけれど、私の事を知ってくれているからこそ、見てくれているからこそのこの一本の傘。
 今日みたいな私でも、顔中の至る所に口付けをしてくれた優希君。そんな優希君にもっと私を知って欲しい。

宛先:優希君
題名:喧嘩になった
本文:今日は来てくれてありがとう。優希君に会えたことも、優しくしてもらえた
   事も嬉しかった。そして今は優希君がくれた青空の中で、メッセージを打っ
   てるんだけれど、あんな信用出来ない学校なんて忘れてしまって転校しなさい
   って言われて喧嘩になった。もちろん私は絶対嫌だって言ったよ。優希君は私
   の気持ちを応援してくれる?

 そう思った私は、優希君に今日のお礼とお父さんとの喧嘩のあらましを優希君に伝える。

宛先:優珠希ちゃん
題名:ハレンチ女
本文:アンタ! 今度はわたしのお兄ちゃんになんて事してくれたのよ。ちょっと
   わたしが認めたからって、何お兄ちゃんにマーキングみたいな事してるの
   よ。しかもお兄ちゃんも全く気が付いてないってゆうじゃない。確かに
   わたしはお兄ちゃんがこれ以上の不貞を働かないために、その腹黒さで
   どうにかしなさいとはゆったけど、少しは節度ってゆう物を考えなさいよ。
   わたしの格好良いお兄ちゃんが、あんたのキスマークを晒しながら帰って
   来た落とし前、どうしてくれるのよ。これじゃあ文字通り、お兄ちゃんが
   さらし者みたいになってるじゃない。今日中にわたしが納得する言い訳く
   らい寄こしなさいよ。

 優希君へのメッセージを送った瞬間に届いた、優珠希ちゃんからのメッセージに顔が青くなる。キ……口付けのマーク、印って何の事なのか。何で今日口付けした事までバレているのか。
 優希君が言ってしまった事も考えたのだけれど、この文面だと優希君も知らなかったぽいから、それも無さそうだ。
 分からない優珠希ちゃんからのメッセージに頭を悩ませていると、
「お母さんだけど今、大丈夫?」
 さっきは一言しか言わなかったお母さんが、再び私の部屋へと顔を出してくれる。


 さっきはお父さんにあんなに酷いあしらい方をされたのに、全く気にした様子見せないどころか、室内にも関わらず傘を差している私を見て、嬉しそうにする。
「その傘。センス良いわね。しかも愛美の好みにぴったりじゃない?」
 外から見たらただの濃紺の傘だけれど、傘の中は晴れ渡る青空なのだ。
「そんなの優希君がくれた傘なんだから当たり前だよ。それよりも、さっきのお父さんの酷い言い方にお母さんは何とも思わないの?」
 だけれど、さっきのお父さんのあしらい方と、お母さんの今の様子の方がよっぽど気になる。
 お父さんからしたらお母さんはお嫁さんで、結婚へのプレッシャーで他の女の人と浮気までしたんじゃないのか。
 それなのに、慣れてしまったらあんな対応だなんて、あまりにもあんまりだ。
「愛美は本当に良い子ね。正直お母さんも呆れはしたけど、お父さんの気持ちが分からないではないのよ。もちろん愛美の気持ちを蔑ろにするようなお父さんの話なんて認めないわよ」
 言いながら部屋の中で差している傘の中に入って来たお母さんが、私を抱きしめてくれる。
「お父さんの気持ちが分かるって、私を転校させるって事?」
「違うわよ。お父さんが本気で愛美を心配する気持ちよ」
 そう言う事なら、お母さんも私を心配してくれているのは今更の話だ。
「お母さんも愛美の事は心配してるけど、愛美自身は何も咎められるような事はしてないし、胸を張ってしたい事をして欲しいのよ。それに彼氏である優希君や、今日来て下さったあの若い担任の先生も良い先生なんでしょ」
 そう。その通りで、そう言う風に理解して欲しかったのだ。だからこそ転校も辞めるのも嫌だし、みんなであの学校を卒業したいのだ。
 ただもう一つ付け加えるのなら、親友や友達、独りにしておきたくない後輩の事もあるから、明日からでも登校したいくらいなのだ。
「私。みんなが反対しても、あの学校に最後まで通うから」
 だからもし、両親揃って辞めろと言われたら、私は家出をする。
「だからお母さんは愛美が行きたいなら、お父さん一人くらい何とでもしてあげるわよ。ただお父さんは愛美が本当に大好きだから、嫁入り前に何かあったら取り返しがつかないとかそんな事を考えてるんだと思うわよ」
 そして何回も聞いたお父さんの心配の話。本当に私が好きなら、大切なら、私の話も聞いて欲しい。
 私が思わずついた溜息に苦笑いをした後、
「今すぐには分からなかったとしても、いつか愛美にも分かる時が来るけど、お父さんとお母さんからしたら、どれだけ年を重ねようが、いくつになっても子供なのよ。法律上は来月、再来月になれば愛美も、もう子供じゃなくなる。
 後二年したら成人を迎えて法律的にも、社会的にも大人として見られる。だけど、お父さんとお母さんも同じように年を重ねるのだから、愛美自身がどれだけ年を重ねようが関係は変わらないのよ」
「……お母さん?」
 何だろう。お母さんが見た事の無い寂しそうな表情を見せる。
 今回の事はそれだけ心配をかけた事は理解できるけれど、本当にまれにだけ感じるこの違和感みたいなのは何だろう。
 ただその表情も一瞬で消してしまったお母さんが、
「何でも無いわよ。たださっきお父さんの前でも言ったけど、愛美を信用出来ないお父さんには呆れたから、今回はお母さんもフォローはしないし、愛美の学費くらいはどうにでもなるから、思い切り喧嘩しても良いわよ」
 ひょっとしてお母さん。ものすごく怒っているんじゃ……。
「あの。お母さん?」
「だいたいね。いくつになっても男だとか、女だとか子供みたいな事ばっかり言ってるんだから、どこかでしっかりとお灸を据えないといけないのよ」
 本当に呆れる。それじゃあお父さんの方が世間知らずなんじゃないのか。
「それじゃあお母さんは行くけど、お風呂は入れそうなら慶久も先に入ってるから入りなさいな」
 それでもあくまで軽い口調で話を続けるお母さん。
「そうそう。お風呂で思い出したけど、病院の診断では全治三週間って書いてあったからって、27日の月曜日までは、学校側も公欠扱いにするって言ってたわよ。もちろん早く治ったらその分早く復学して欲しいって言ってたけどね。お父さんの言う通りちょっと頼りないけど、愛美の処遇の話をする時だけはしっかりハッキリと喋ってたあの先生も、優しそうで良い先生じゃない」
 だからなんでお母さんまでそう言う反応をするのか。さっきまでのお母さんの雰囲気はどこへ行ってしまったのか。
「ちょっとお母さん! あんまり変な事言うと怒るよ」
 お母さんがそんな煽るような反応をするから、私に彼氏の影が見え隠れするだけでお父さんが大騒ぎして、巻本先生に過剰反応……まさかね。
 一瞬恐ろしい光景が目に浮かんで、慌ててそれを打ち消す。
「はいはい。それじゃあ明日からはお母さんがいるから、とにかく愛美はゆっくり休んで早く治す事だけを考えなさいな」
 一言私に言い落したお母さんが部屋を出て行く。

 その後、せっかくだからと、いつ優希君と会う事になっても良いように、汗だけはしっかり流しておこうと言う事で、温めのシャワーを失礼させてもらう。
 お母さんがお父さんの事を好きなのは疑う余地は無いけれど、それにしてもあのお父さんは酷い。万一優希君にあんな言い方されたら悲しすぎて喧嘩にすらならないと思う。
 ただその中でもお母さんもお父さんが言っていた事を理解していた言葉。親が子供を慮る気持ち、心配する気持ち。
 本当に【親思う心に勝る親心】じゃないけれど、二人とも考え方は違ったとしても、私を大切にしてくれる気持ち自体は伝わる……って言うか、それをお母さんが教えてくれたって事は……。
 それにお母さんからしたら私はいつまでも子供で、私からしたらいつまでも親であって……。
 当たり前の事ではあるかもしれないけれど、言われてハッとした。本当にこの週末の三日間は、大人と子供、未成年と成人そして親子の事を良く考えた気がする。
 しかもちょうど私たちくらいの年齢は、法令的には大人の仲間入りをする人も混じっているから、尚の事難しい。
 その難しい只中に私たちはいて、普遍的に変わらない親子関係って言うのもある。そこで何となく気付く。ひょっとしてお父さんは単純な大人と子供では無くて、普遍的な親子として話してくれていたんじゃないかって。もしそうだったとしたら、さっきのお父さんとの言い合いの意味も随分と変わる気がする。
 調べてみないと分からないけれど、誕生日を迎えているのかそうでないのかで、戸塚やあの男子の扱いに大きな差が出るような気がする……でもあの男子の方は一つ後輩なのだから、18歳以上になる訳は無いのか。
 ただ戸塚に対しては、年齢が違ったとしても同学年で同じ事をされた事には変わらないのに。もちろん、どんな事にも“完璧”や“絶対”なんて存在しないのだから、どうこう言っても仕方ないのだろうけど、学校と言う一つの箱に守られている私には、どうしてもその実感が沸き辛くて。
 結局今言える事は、私はどこからどう見てもまだまだ子供で、親からも、学校と言う組織からも守られている。その上で、親子関係にしてもその普遍性からやっぱり私は子供のままだって事だ。
 ここで、お世辞にもまとまったとは言えない思考を一度切り上げる事にする。

 そして最後。約束通り今日の事を朱先輩へメッセージを飛ばそうとして、

宛元:優希君
題名:卒業したい
本文:愛美さんのお義父さんの気持ちも分かるけど、今後は僕が愛美さんの側に
   ついて守りたいから、学校へは来て欲しい。そして卒業式の日に愛美さんに
   渡したいものがあるから、愛美さんと一緒に笑って卒業したい。僕は積極的
   な愛美さんも大好きだから、今日みたいにもっともっと色んな一面を僕に
   だけ見せて欲しい。

  いつもより早い優希君のメッセージに心が再び温かくなる。
 倉本君にもお父さんにも無い言葉、私が幸せになれるための言葉を優希君はくれる。

宛先:優希君
題名:勇気出た
本文:ありがとう。じゃあ、顔が治るまでの二週間程は自宅療養だけれど、登校
   したら倉本君とメガネから守ってね。
   そして卒業式の日に何をくれるのかも楽しみにしてる。後、私にあんまり
   意地悪を言う優希君は……嫌い……じゃないよ。

 優希君から私へのイジワルは、私への好きの裏返しなのだから嫌なわけがない。
 私は優希君へのメッセージを打ち終えた後、昨日の約束ではメッセージを送る話だったのだけれど、朱先輩に直接今日の話をしたかったからと、思い切って電話を掛ける事にする。
『二日続けて愛さんとのお話なんだよ』
 夜の挨拶も何もかもを飛ばして、私との電話の喜びを表現してくれる朱先輩。
『ありがとうございます。迷惑じゃないですか? 時間大丈夫ですか?』
『……わたしは、愛さんとお喋り出来て迷惑なんて今まで思った事なんて無いんだよ』
 いやまあそうなんだろうけれど。こんな遅掛けに電話したら普通何かしらあるんじゃないだろうか……特にナオさんとか。
『それで今日はどうだった? ちゃんとデートできた?』
 なのにそれはさておく暇もなく、本題を気にしてくれる朱先輩。
『はいちゃんとデート出来ましたって言うか、いつも以上に優希君が優しくてびっくりしました』
『優しかったって事は、愛さんもちゃんと楽しめた?』
『もちろんです。朱先輩の言ってくれた通り、優希君に会えて本当に良かったです』
 今日会えたのは朱先輩が私の話を聞いてくれた上で、私の背中を押してくれたからこそ実現した優希君とのデート。
『だからわたしは言ったんだよ。空木くんなら喜んでくれるって』
『喜んでもくれましたけれど、優希君は私の優しさをとても嬉しそうにしてくれました』
『愛さんの優しさって?』
『私の顔の腫れとか、青くなったのは全部親友の蒼ちゃんを守ろうとした私の優しさだって。その上で、今の私の顔も好きだからって、顔の至る所に口付けをたくさんしてくれたんです』
 今思い出しても嬉しいやら恥ずかしいやら。ただ、他のどの先生とも違う、どの人とも違う優希君ならではの私に対する感想。私の体が、今は優希君がいないにもかかわらず、ほんのりと熱を帯び始める。
『空木くんから愛さんにキスをしてくれたの? しかも至る所にって?』
『はい。たくさんしてくれました……場所は、頬とか、口とか、耳とか……後、目もしてくれました』
 だから邪魔になったガーゼも取り外してしまったんだし。よく考えたら今日お父さんの機嫌がよくなかったから、ガーゼの事もスカートの事も追及されずに済んだのかと思うと、悪い事ばかりではないのかもしれない。短気は損気ってね。
『やっぱり空木くんは、愛さんがとっても大好きなんだよ。それを聞けてわたしはものすごく安心したんだよ』
 そう言ってもらえて嬉しいけれど、今日の話はそれだけでは終わらない。
『その上、更に驚いた事に私とのデートの時に私だけを見てくれていた優希君が、私が少しでも早く笑顔になれるようにって空柄の傘をくれたんです。この傘が本当に私の好みの傘で……私は優希君とのデートの時に、はしゃぐだけだったのに、そんな私をしっかりと見てくれている優希君がとっても嬉しくて……次に会った時、日傘にもなりますので、お見せしますね』
 何と言っても優希君の私への気持ちがたくさん詰まった贈り物。ただ物を貰うだけなら何とも思わないと思うけれど、ちゃんと私を見ててくれた上での、私が喜ぶ贈り物。好きな人からこんな気持ちを貰えたら喜ぶに決まっている。
『楽しみにしてるんだよ。本当に愛さんはとっても良い人を好きになったんだよ』
 本当にそう思う。あの時優希君と最悪の結末にならなくて本当に良かった。だからこそ昨日の話を覆したとしても、私の気持ちを朱先輩には話しておかないといけない。今日の電話はこの話をするためだと言っても過言じゃない。
『私もそう思います。だからこそ私。朱先輩に謝らないといけない事があるんです』
『……また何かあったの?』
 ああ。この言い方だと朱先輩を不安にしてしまうのか。
『ごめんなさい。そうじゃないんです。昨日朱先輩が話してくれた事なんですけれど、優希君は私を本当に大切にしてくれるんです』
 でもこれはそう言う話じゃない。あくまで私の優希君に対する向き合い方の話なのだ。
『……だったらわたしに謝るような事なんて何もないんだよ』
『そうじゃないんです。優希君が私を本当に大切にしてくれるからこそ、優希君に触れてもらうって言う安易な逃げを選択したくないんです』
 だからこそ朱先輩の想いを否定する気がして、初めに謝ったのだ。
『もちろん私の中に、優希君に触れて欲しい、優希君色に染めて欲しい気持ちはあります』
『それでもダメなの?』
『駄目って訳じゃ無いとは思うんですが、優希君は“私の初めては全部僕が欲しい”
って言ってくれたんです。だったら私としては、優希君に触れてもらって優希君色に染めてもらうんじゃなくて、自分自身の中で今回の事にしっかりと折り合いをつけて、まっさらな気持ちで、まっさらな私を優希君に求めて欲しいと思ったんです。だから昨日の話はいったん保留にして下さい』
 別に昨日の話だって朱先輩に無理やりそうしろって言われた訳じゃ無い。しんどい私の心を汲み取ってくれた上でのお話だったって事くらいは分かっている。だからこそ、朱先輩にはちゃんと打ち明けて話しておきたかった気持ちはすごく強い。
『……本当に愛さんって子は……ありがとうなんだよ。それに、今のお話だったら、愛さんの方もまた男の人とのアレコレは全部初めてと同じなんだから、空木くんも大喜びなんだよ。それに愛さんがそんな気持ちになれるくらい、空木くんの気持ちが強いって言う事は、空木くんは愛さんの絶対の味方になってくれると思うんだよ』
 私の味方……って言うより、
『もう優希君は、私の事を理解し始めてくれています。だから駄目な事はちゃんと駄目って言ってくれたら、私はすごく嬉しいですよ』
 そう。今日の倉本君の提案の時のように。ケンカにはなりかけたけれどお互いの“秘密の窓”を開け合えたのだから、むしろ良かったとさえ思える。
『本当に愛さんが幸せそうで良かったんだよ。お互いが嬉しい事、喜ぶ事を分かり始めてる。これってとっても素敵な事なんだよ。だから、愛さんがわたしに謝る事なんか何もないんだよ。昨日も言ったけど、愛さんのペースで、空木くんと “お互いにそう言う事” を話し合いながら進んで行ければそれが一番良いんだよ』
 ……確かに昨日そんな事も言ってくれていたっけ。
 本当に朱先輩は私たちを良く理解してくれていると思う。
『もちろん優希君から求めてきてくれたらその限りでは無いと思いますが、私は優希君に不義理は働きたくないんです。ですから、昨日朱先輩にも言ってもらいましたけれど、優希君が求めてくれる

に何とか自分自身の中で折り合いとけじめを付けて、まっさらな自分を喜んで欲しいって思っているんです』
 だからこそ、朱先輩にも不義理なんて働きたくない。
『……本当に……愛さんをそう思わせる程、空木くんが愛さんの事を大切にしてくれてるのが分かってわたしは、本当に嬉しいんだよ』
 朱先輩の声が少し変わる。
『でもそのきっかけをくれたのは朱先輩ですよ。昨日朱先輩が二の足を踏んでいる私を説得してくれなければ、今日の話は全部無かった訳ですから』
 本当に朱先輩にはいくら感謝してもし足りない。
『ありがとう。じゃあわたしもこれからは、何があってもしっかりと愛さんを守るんだよ。愛さんの心と体は空木くん一色で、空木くんもまた愛さんに心も体も一色なんだよ』
 そう言う言い方をされるとすごく恥ずかしいけれど、やっぱりそのニアンスの中には全くイヤラシさを感じない。
 この辺りはやっぱり女同士が関係しているか、朱先輩ならではの信頼「関係」が影響しているのかもしれない。
『そう言われると照れますね。でも、今日は遅い時間に話を聞いてもらってありがとうございました』
 親しい仲にも礼儀あり。やっぱりこんな時間に電話するなんて失礼だし、もしナオさんと一緒だったらと思うと、気が気でない気持ちもあった。
『そう言うお話ならいつでも大歓迎なんだよ。それじゃあ今日はとっても素敵なお話をありがとう』
 そして、幸せな気持ちのまま朱先輩との通話を終えた私は、そのまま布団の中で夢の世界へと旅立つことにする。

――――――――――――――――――次回予告――――――――――――――――
   お父さんに強行で学校を転校するように言われた大喧嘩した次の日。
        前日に朱先輩とお母さんから励ましてもらったから、
              引きずる事は無かった気持ち

         ただお父さんの方はそうでもなかったみたいで……
         一方で、お母さんと喋っていたメッセージの返信。

          更に学校を休んだからこその状況の把握遅れ……

             次回 152話 責任・呵責・自責

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