夏の日の2024

文字数 1,109文字

 夏が終わった。いや何言ってんだ、これからが本番だろうが、という話ではあるが、今年の夏はもう終わったのだ。
 まあこんな書き方したら明確に言わなくてもお気づきになるだろうが、夏恒例の大イベントウィークが終わった。から、私にとっては夏終了同然なのである。相変わらず太陽は地上の生物をやっつけにかかってるけどな。
 パリオリンピックが開幕し、昨日は花火客でごった返す隅田川リバーを横目に飛び乗った帰路の電車がゲリラ豪雨と雷で車両故障を起こし、いっこうに動かぬ車内でスマホアプリで中継を観ていた(情報量多すぎだな!)。数度の電気系統再起動作業の後、ブレーキの不具合を解消できませんでしたが、低速で運転再開します、と流れた車内放送にはちょっとばかり不安を煽られたが、無事に帰宅し……って、夏の終わりのあれやこれやじゃなくて、オリンピックについて話したいんだった。屋外競技なのに、なぜかやたら涼しい顔をしている選手たちや観客プラス馬ズに違和感を覚えたのだったが、何てことはない、今日のヴェルサイユは大変な人ですけれど、気温は20度程度で快適ですこと、って理由だったらしい。きいぃ、うらやま! でもさあ、それだからこそオリンピックの舞台に選ばれてしかるべき、ってことなんじゃなかろうか。体温を超える最高気温と熱帯夜に加えて、ゲリラ豪雨抜きでも多湿がずっと続くニッポンは、もはや夏季五輪ができる土地じゃないよなあ。
 ところで、個人的にオリンピックの楽しみの一つとなっているのが、テレビ放送のテーマ曲である。有名なところでは、ゆずの『栄光の架橋』だろうか、あれを聴くと今でも体操の鉄棒競技が真っ先に思い浮かぶから、なかなかにしっかりとテーマ曲として根付いている。
 もう一つ、オリンピックテーマ曲で忘れられないものがある。冬季だが、長野五輪の「旅立ちの時〜Asian Dream Song〜」だ。かの名手・久石譲御大作曲で宮沢和史さんが歌ったが、フィギュアスケートの羽生結弦さんが使ったこともあるから、若い世代も耳にしたことがあるかもしれない。まるで蓮の花咲く光景が見えてくるような、透明で繊細な美しい曲だ。氷を思わせるようでいて優しくあたたかい、不朽の名作だと私は思っていて、普段は特定のもの以外にあまり手を伸ばすことのないCDアルバムまで最近になって図書館で借りてしまった。今年はまだテレビ放送を観られていないので各局のテーマ曲がどんなものだか知らないのだが、クーラーのガンガンに効いた部屋でソファーに寝そべって、去ったと思ったらまた戻ってきた夏をだらだら満喫しようと思う。あ、アイスと冷やし中華と、お腹の冷え防止のネコもよろしくね~。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み