許すまじ、ヨトウムシ

文字数 866文字

 ヨトウムシが嫌いである。生物の生存戦略としては優れていると思うが、敵のいない夜間を狙って人の大事にしている植物を他のイモムシと比べ物にならないレベルに大きく傷付け、それでいて昼間は土の中に潜って姿すら隠す、そのやり口が許せない。許せない、ったってそういう風にできている生き物なんだから仕方ないのだが。やるんなら正々堂々と葉の裏にでもいて勝負しやがれってんだ(理不尽)。
 早々に脱線して申し訳ないのだが、そういえばヨトウムシと似た構図をどこかで見たなあ、としばらくもやもやしていた。が、ようやく先ほどポンコツの回線が繋がった。そりゃSNSの誹謗中傷のことだわね。自らの身を危険にさらす覚悟もなく、安全圏(に見える場所)から他人を好き勝手に傷付ける。まあ法改正でしっかりきっちり罪に問われることになるようだから覚悟しておくがいいぞよ、ヨトウムシ。あ、これはヨトウムシ(本物)への誹謗中傷になっちゃうか。
 もとい。春先はともかく虫(本来的な意味での)がわんさかやってくる。アブラムシ、ハダニ、イモムシケムシ……。お外あったかい! おいしいごはんある! それいけー! って気持ちは無論理解はできるが、理解できることと許容することは決してイコールではない。(あちらの世に)お帰りくださいませ、お客様。
 我が母はこういう虫らが嫌いだから、ガーデニングはしないのだと言っていた。ある意味賢い。食べ物がなければ、ヤツらは基本的に寄ってこないのだから。だが、趣味でやるガーデニングの緑たちは癒しである。花が咲けば気分が明るくなるし、野菜や果物が実れば充実感を覚える。そこに緑があるというだけで、何とはなしにほっとする。──あれ? 私疲れてるのかな? 癒しとか充実感とかほっとするとか、ちょっと自分が心配になってきたぞ?
 まあいいや、ともかくうちのかわいい子らに危害を加えるもの、特にヨトウムシ、お前は絶対に容赦しないぞ。見つけ次第、そこらのネコのおもちゃにしてやるからな……って、ネコにとっては貴重なたんぱく源だったようだ。うーん、食物連鎖よ……。
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