俺とお前…或るいは地獄の五丁目/1
文字数 1,377文字
世を震撼させた同時多発テロ
未曽有の大震災…明日は我が身と生きる俺ですが、それは誰の身にも起こり得る確率だと不幸な事故から学ぶ。
今日未明、渋谷区千駄ヶ谷のある住宅地で 事 件 が起きました。
「……あ」歯磨き粉、ない。
棚を探したけど見当たらなくて玲音を呼んで事なきを得る(想定内)つもりだった俺は歯ブラシを口に突っ込んだまま、もう一度呼んだ。背後から腕組み、鏡越しで見ていた玲音は、ふと腕を解いて
「あのさ…俺、前から思ってたんだけど」言葉より速く手が出る。
左から聞き手が腰元まで伸びて、嫌な予感がした。
パジャマ代わりのジャージにすり込む長い指の進入を許さない俺は歯ブラシを噛みながら遮ったが右腕に挟まれ後ろによろめく。
ボタンをひとつ、ふたつ外され、股関節の辺りから肌を擦り引き抜かれる布の感触と上から忍び込んでくる玲音の指使いに目を見開き動揺する、俺。
鏡の前で後ろから抱きつかれる格好が鏡に映って全部見える状態で、俺の耳元で音を立て開くセクシーな唇から漏れる息…やばい!と思った時、既に遅し。
びく…っん…朝勃ちの延長で、放つ。
決定的な快楽は、まるで無い。
内側が温かく染みる感触を手じゃなくて手探りのタオルで隠して
「ん?歯磨き粉なら、ここだよ」
やべぇ、これはやっべーぞ!大混乱。
脚を伝って今にも滴り落ちそうな大量発射を内股で食い止めながら深呼吸。
「前から思っていたんだけど、どうしてシャツを入れるの?こっちの方がいいよ」
悪戯をされた訳ではない。
ただシャツインの格好を指摘された
まぁ…うん…鏡の前で重なる格好で後ろの玲音に髪をいじられ頭を預けて…
あのさ?今、俺それどころじゃねーんだわ(お漏らし、して…る)
「触んな、あっち行け!」
じゃじゃ馬みたいに蹴り上げ、ユニットから玲音を追い出す。
「俺がいいって言うまで入ってくるなよ」
口から勢いよく抜き取った歯ブラシの先端を向けると玲音は胸の前で両手をあげ、扉一枚で仕切られる。
水を流しっぱなしにしてパンツとジャージを洗う、俺。何やってんだ?
顔は真っ赤で尻丸出し、なのに
「ごめん、昌…俺また何かした?」ドアが開ききる前に蹴って怒鳴る。
「何回も言わせるな、あっち行ってろ…ったく。冗談じゃねぇ!」
これは立派な犯罪だ。
早いとこバイトみつけて距離をおかないと、体格が良いわりに小尻なスポットめがけて顔面から突っ込みそう。ムダ毛が一本も無駄じゃないあそこに…妄想…また反応してきた。
それでも玲音は受け止めてくれる?
なんという禁欲生活
とはいえ男同士の共同生活
俺の仕業は見破られているだろうけど今のとこバレてない(と思いたい)
憎らしいほど爽やかどストライクな微笑みに良心の呵責が…おはようからおやすみまでベースキャンプはテント張りっぱなし。トイレで念仏を唱え、煩悩から解放された後リビングに戻ると玲音が糖衣の整腸剤をくれた。
腹具合じゃなくて、そこより下の…個人的な問題。なんて言えない。
人間、理性がなくなったら残るのは生きるための本能。
まだ未熟な俺は制御ができない危険デルタ地帯。
あっちの方も鋭利な切っ先♂がパンツを突き破るのは時間の問題。
誰か、鋼鉄の処女で今すぐ封印してくれ。
※鋼鉄の処女 は 拷 問 具
未曽有の大震災…明日は我が身と生きる俺ですが、それは誰の身にも起こり得る確率だと不幸な事故から学ぶ。
今日未明、渋谷区千駄ヶ谷のある住宅地で 事 件 が起きました。
「……あ」歯磨き粉、ない。
棚を探したけど見当たらなくて玲音を呼んで事なきを得る(想定内)つもりだった俺は歯ブラシを口に突っ込んだまま、もう一度呼んだ。背後から腕組み、鏡越しで見ていた玲音は、ふと腕を解いて
「あのさ…俺、前から思ってたんだけど」言葉より速く手が出る。
左から聞き手が腰元まで伸びて、嫌な予感がした。
パジャマ代わりのジャージにすり込む長い指の進入を許さない俺は歯ブラシを噛みながら遮ったが右腕に挟まれ後ろによろめく。
ボタンをひとつ、ふたつ外され、股関節の辺りから肌を擦り引き抜かれる布の感触と上から忍び込んでくる玲音の指使いに目を見開き動揺する、俺。
鏡の前で後ろから抱きつかれる格好が鏡に映って全部見える状態で、俺の耳元で音を立て開くセクシーな唇から漏れる息…やばい!と思った時、既に遅し。
びく…っん…朝勃ちの延長で、放つ。
決定的な快楽は、まるで無い。
内側が温かく染みる感触を手じゃなくて手探りのタオルで隠して
「ん?歯磨き粉なら、ここだよ」
やべぇ、これはやっべーぞ!大混乱。
脚を伝って今にも滴り落ちそうな大量発射を内股で食い止めながら深呼吸。
「前から思っていたんだけど、どうしてシャツを入れるの?こっちの方がいいよ」
悪戯をされた訳ではない。
ただシャツインの格好を指摘された
だけ
なのに射たとこ勝負な自分に呆れかえる。まぁ…うん…鏡の前で重なる格好で後ろの玲音に髪をいじられ頭を預けて…
あのさ?今、俺それどころじゃねーんだわ(お漏らし、して…る)
「触んな、あっち行け!」
じゃじゃ馬みたいに蹴り上げ、ユニットから玲音を追い出す。
「俺がいいって言うまで入ってくるなよ」
口から勢いよく抜き取った歯ブラシの先端を向けると玲音は胸の前で両手をあげ、扉一枚で仕切られる。
水を流しっぱなしにしてパンツとジャージを洗う、俺。何やってんだ?
顔は真っ赤で尻丸出し、なのに
「ごめん、昌…俺また何かした?」ドアが開ききる前に蹴って怒鳴る。
「何回も言わせるな、あっち行ってろ…ったく。冗談じゃねぇ!」
これは立派な犯罪だ。
早いとこバイトみつけて距離をおかないと、体格が良いわりに小尻なスポットめがけて顔面から突っ込みそう。ムダ毛が一本も無駄じゃないあそこに…妄想…また反応してきた。
それでも玲音は受け止めてくれる?
なんという禁欲生活
とはいえ男同士の共同生活
俺の仕業は見破られているだろうけど今のとこバレてない(と思いたい)
憎らしいほど爽やかどストライクな微笑みに良心の呵責が…おはようからおやすみまでベースキャンプはテント張りっぱなし。トイレで念仏を唱え、煩悩から解放された後リビングに戻ると玲音が糖衣の整腸剤をくれた。
腹具合じゃなくて、そこより下の…個人的な問題。なんて言えない。
人間、理性がなくなったら残るのは生きるための本能。
まだ未熟な俺は制御ができない危険デルタ地帯。
あっちの方も鋭利な切っ先♂がパンツを突き破るのは時間の問題。
誰か、鋼鉄の処女で今すぐ封印してくれ。
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