第15話 心眼
文字数 2,156文字
横に座るイルミ王女は風景を
とても大国デアチをひっくり返そうと
騎士団長リクハルド・ラハナトスや女騎士ヘルカ・ホスティラは唖然としていた。彼らだけではない。他の騎士達も顔を強ばらせていた。
イルミ王女はきっと誰にも相談せずにここへ来たのだとアイリは思った。
軽い口笛が気に
「イラ、ヘリヤ、あんたら本当について来るつもりか? 死ぬぞ」
それに荷物の後ろからイラが陽気に返事した。
「私は大丈夫でぇす。御師匠が私をお
まあ確かにそうだけど、何もそこまでつき合わなくても良いだろうしとアイリは顔をしかめた。
「ヘリヤお前はどうなの?」
すぐにかしこまった声が聞こえた。
「はいはい、私はどこへでも王女様におつきしお世話いたしますから」
仕事熱心はいいけれど、少しは自分の命や先行きを考えろと少女は口を曲げた。
きっと凄い乱闘になる。
イルミ・ランタサル────あんたは自分だけでなく9人を投げだすのかと横目で1歳
イルミは口笛に合わせて細い
いいや、こいつも
いいやこいつは
デアチ本城の
また狙いやがった。
どうしてイルミはこうも都合よく狙ってくるんだ!? まるで考えを読まれているようだと少女は感じて鳥肌立った。
もしかしたら敵意や悪意に
バカ王女! 変態! あほう! どブス!
刹那、正面に迫る
ひえ────!
イルミ王女が何事もないように口笛に合わせて胸の前で
「アイリ、少しは
口笛の合間にイルミ王女がそう
くそう! 適当に振り回してない。確実に狙ってやがるとアイリは一瞬唇をへの字に曲げイルミ王女に告げた。
「騎士30人、近衛兵150人」
王女が問い返した。
「何ですの? 配下が欲しいの? それくらい────」
「違うよ。あんたとヘリヤだけでなく他のものを護れるぎりぎり。襲ってくるデアチの兵の数だよ」
イルミ王女がいきなり揺らしていた
「わたくし、買い被りはしませんのよ、アイリ」
どういう意味だと少女は怪訝な面もちになった。
「数でその10倍、いいえ20倍でもあなたなら軽く
いいや無理だから。第一そんな人数相手に暴れたことないし、とアイリは眼を寄せた。
「なんでそんな事わかるんだよイルミ?」
「軍を指揮する将、それに命する王位につくもの──能力や勢力を見誤れば一気に倒されます」
確かにそうだけど、16のあんたがそれほど経験あるわけないじゃん、とアイリは王女を
「アイリ・ライハラ、いつであろうと特別な力を自分だけが持っていると
『しんがん?』アイリが聞き慣れぬ言葉の意味を探っていると木々の曲がり道の先に馬を横に向け1人の
アイリ・ライハラが