第7話 沢田研二は何故、現役の歌手であり続けるのか

文字数 931文字

 会社員と違い歌手や役者という職業に定年はない。年をとってもやり続ける覚悟があれば、そしてファンがいればいつまでも現役を続けられる。
 沢田研二は、今年で75歳になる。グループサウンズ時代の仲間達は引退しているのがほとんどだ。だが、沢田研二は未だに現役の歌手を続けている。そして、最近になってコンサートで昔のヒット曲、さらにはザタイガース時代のヒット曲も多く歌うようになったが、ある時までほとんど昔のヒット曲は歌わないでその年にリリースした新曲を中心にしたコンサートをしていた。ヒット曲もたくさんある沢田研二だから、昔のヒット曲を聞きたいと思ってコンサート会場まで足を運んだファンも多かったと思うのだが、沢田研二はそうした期待に応えたことはなかった。
 沢田研二は今でも、毎年必ず新曲をだしている。この事は沢田研二があくまでも今を大事にしていることの表れだと思う。国内だけでなく沢田研二とほぼ同年代の海外のロックバンドのミュージシャンでもコンサートは昔に流行った曲を多くやる事が多い。それと比較しても沢田研二という人はあくまでも自分のペースを守り自分流のコンサートをやり続けている。そして、そうしたコンサートに最初は戸惑ったファンも多かったと思うが、今でも多くのファンがコンサートにつめかけるのだからファンも沢田研二流のコンサートに納得しているのだろう。
 沢田研二はテレビに出演して昔のヒット曲を歌うようなことはしない。「昔の名前で出ています」というような歌手にはならないのである。だから、コンサートを中心に何十年も活動を続けて今の沢田研二でファンを魅せている。
 年を取ってくると多くの人は、失敗はしたくないので新しい事には挑戦しなくなる。現状維持で良いという考えになってくる。それに反して、沢田研二は還暦を迎えた時には東京ドームでかってのヒット曲も交えて80曲歌いきると言う普通の歌手の常識では考えられない事に挑戦してやり遂げた。
 そして、その後も毎年、新曲を出し続けて多くの会場でコンサートもやり続けている。時にはコンサートを直前になってキャンセルしたとかマスコミから非難される事もあるが、沢田研二の「今を大事にする」仕事に対する姿勢は褒められるべきだと思う。
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