第5話 何故、人は同じ人物に対して好きになったり嫌いになったりするのか?

文字数 620文字

 私は同じ人物なのに好きという感情と嫌いという感情を持つ時がある。
 そうした感情は学生時代にはあまり持つことはなかったのだが、大学を卒業して会社員になった時、入社した会社で嫌いな先輩や上司は何人もいた。そして、暫くたつと同じ先輩や上司なのに別な面も発見すると、その人に対する評価ががらりと変わり良い人と好意的な気持ちを持つ時もあった。
 同じ会社で働く同僚、先輩、上司、そして部下を持つようになってからは部下に対しても嫌いになったり好意的な気持ちを持つようになったりする感情を繰り返しては、会社を定年になるまでの40年間以上の過ごしてきた。そして、この感情は会社を卒業したら終わりと言う事ではない。今後も私が関わり合う全ての人に対して好意的な気持ちを持ったり、あの人は駄目だと否定したりしながら付き合っていくのだと思う。
 よく言われる事だが、人間は右から見た顔と左から見た顔を違うという。このように外見だけでなく内面も人はいろいろな面を持ち合わす。だから右から見た顔や内面にもっているものは好きでも左から見た顔や内面にもっているものは嫌いと言う事が起こるのだと思う。
 そして相手に対して嫌いと感じるものは、実は自分も心の中に持っているもので、それを自分でも嫌だと感じているから相手に対して余計に嫌な感情を持つのだと思う。嫌悪しているのは実は自分自身であり、自分の中にもある部分だと思えば相手に対して感じる怒りの感情も少しは納まるかもしれない。
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