第11話 最近の広告は何故面白くなくなったのか?

文字数 742文字

 最近の広告は見ていて面白く感じられない。
 テレビのCMだけでなく新聞、雑誌そしてサイトに配信されている広告が面白く感じられない。
 昔の広告には企業の宣伝をするだけでなく、社会に働きかけてその結果として企業のイメージや製品が売れるという流れがあった。代表的なのは「おいしい生活」というコピーを訴えたデパートの広告だ。デパートそのものを宣伝するのではなく「おいしい生活」をPRすることにより、それを実現するのにデパートに行けば「おいしい生活」に近づけるというわけだ。
 そのように広告には夢があり、見ていて楽しい要素が多くあった。それが何故、最近の広告には面白さがなくなってきたのだろうか?
 ひとつにはインターンシップの普及に伴うデジタル広告の急速な発展があると考えられる。デジタル広告は「cookie」というユーザーの履歴情報を元に広告を配信するという他メディアにはない大きな特徴がある。その「cookie」を元にユーザーに関心の高い広告を配信すれば広告をクリックされる可能性も高まり購入にも結びつく可能性も高くなる。
 要は「データ」を元に効率よく広告を配信出来るのだ。広告とは消費者に企業のイメージを高めて、数ある企業の中からその企業の製品を購入してもらうのが大きな目的である。企業の収益を高めるために広告はある。
 だが効率にばかり頼って広告を配信するのはどうだろうかという疑問も残る。広告とは本来「広く告げる」のである、不特定多数の人に多く企業を製品を知ってもらうという意味もある。
 あまりに効率にばかり頼るのは問題である。時には少しばかりは余裕のある広告を見てみたい。直ぐには効果には結びつかなくてはメガトレンド、長期的な視点に立った広告も必要なのではないかと思ってしまうのである
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