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文字数 514文字



大切な人に連れられて
眺める桜色の景色
子供の頃から大好きな色
街も人も包み込む
別れに色を添えたり
出会いに演出したり
入学式さくらの木の下で
写真におさめるタイミングで
花吹雪に彩られた
瞬間をずっと夢見てたけど
お姉ちゃんの卒業式を
華やかにしていた
満足げな顔で校門の前
黒い筒片手に皆で飛び跳ねてる
思い出の1ページ
次こそは私の大切な日に
その思い出に重なる様に
楽しみに春を迎えてきた
弟の入学式には桜色で華やかに
お兄ちゃんの卒業式も
桜色が学生最後のはなむけになってた
3月に咲いてくれるかな
それとも4月までお預けかな
どちらでもいい大切な
思い出に残ってくれるなら
出会いでも別れでも受け止めよう
花粉症と闘いながら
春の訪れ指折り数える
どうやら卒業式のあたりに
今年は咲きそうという予報
大好きな花に大好きな色に
一緒におさまるその瞬間を待つ
でも神様は本当に意地悪で
天気もロケーションも
しっかり考えていたのに
花吹雪の向こう側に
大好きになったあの人が
他の人と手を繋いで
歩いて行く姿に
頬をつたう涙が花びらと共に
風に舞って川に流れて行くから
花筏桜色に川を染める
少ししょっぱい桜餅頬張り
学校も恋も卒業して
少しずつ大人になって行く
そんな思い出と共に
大切な人と桜色の向こう側で


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