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文字数 374文字



窓辺で空を眺めてる君が
悲しそうに何かを目で追ってる
僕に気付くと目尻ぬぐい
おかえりと作り笑顔を向けた
駅前で買ったお土産を
受け取り喜ぶ君の笑顔は
さっきまでの憂鬱が嘘のよう
嘘が下手な君が僕にする
隠し事はだいたい予想がついた
おいしいと頬張りながら
ぼくを気遣う君が愛おしい
君の強さに僕はいつも甘えて
僕にできるのは君を笑顔に
なって貰える事をするだけ
休みにいつものように2人で
歩く散歩道すれ違う親子連れ
いつも明るく手を振りながら
またねと去っていく子供たち
君と2人でいつまでも見送りながら
少し寂しい君の眼差しを
ズルい僕は見ないフリをする
残業続きで帰りが遅くなった
何日目かの夜に
君の声が聞こえてきた
慌てて部屋に駆け込んだ先に
まだ目の開かない小さな命と
格闘しながら嬉しそうな君の姿に
受け入れない理由は
見当たらなかった
今日から2人と1匹の生活
頼むから僕のご飯忘れないでね


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