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文字数 252文字
変わりゆく季節を見送るついでに
断捨離という名を借りて
過去に少しずつ別れを告げる
いつか気に入って手に入れた物に
思い出を紐で括り付けて
お別れの場所へと連れて行く
人よりのんびりしているから
サヨナラというまで何年もかかって
いつしか愛着という鎖が
私の一部と絡み合い
断ち切るまでにいくつも
同じ季節を通り抜けた
思い出の向こうにある誰かの顔が
ぼんやりとしてきたのは
忘れたわけじゃないよ
きっと心のどこかで踏ん切りがついて
もういいじゃないかという合図なだけ
だからこの別れの季節に
新しい出会いのために
あなたとの思い出よサヨナラ