第16話 白波に身を寄せる

文字数 198文字

 もしあとのしらなみにこの身を寄せるあしたには、をかのやにゆきかう船をながめて、満紗弥が風情をぬすみ、もしかつらのかぜ、はをぬらすゆうべには、じん陽の江をもひやりて、源都督のおこないをならう。
 もし余興あれば、しばしば松のひびきに秋風楽をたぐえ、水のおとに流泉の曲をあやつる。芸はこれつたなけれども、人の耳をよろこばしめむとにはあらず。ひとりしらべ、ひとり詠じて、みづから情をやしなうばかりなり。
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