第一章 初めの神話

文字数 476文字

 世に数多の聖遺物が存在する。しかし、元を辿ると神に行き着く。
 では、これらの神秘を手にした被造物とは誰であったのか?

 これは第一の時代の終わりを告げる黙示録であり、後の世の為の記録である。神がいかに被造物を愛し抜かれたかを告げる七つの鐘の鳴る天のメギドの丘で繰り広げた世界終焉の序曲である。

 聖指環、おお、聖指環、聖指環。

 誰がそなたの受難に耐え切れようか? 誰が神の受難を受け止め給うと言うのか? 授かった者に神の後継者足る資格を与えし聖指環よ。そなたには地上の栄光などなく、ただあるのは神の受難のみ。されど、手にした者は世界で唯一神の化け物と闘う資格を得たる神の最大の聖遺物。

 この物語は最初にこの聖指環を手にした天使の物語。失われた古代教会の系譜に連なる歴史。喪われた神話。この物語はただ神の啓示により描かれた物語。

 迷える子羊らよ、集うが善い。数は力なり。兄弟姉妹らよ、世界を変えたくば集えよ。さすればいつの日か聖指環が微笑み給う。歴史上の聖者達が持ち給うた最大の聖遺物よ。そなたはいつから世にあり給うのか?

 語ろう、喪われた聖指環の神話を。
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