第201話 女の子の情報の速さ Bパート

文字数 7,884文字


 私が良い気分のまま自分の教室へと足を踏み入れると、
「愛美昨日ぶり。その表情だと今朝は副会長と登校?」
「愛美さんおはよう。昨日はメッセージをありがとう」
 いつもの二人と挨拶を交わす。ただ最近実祝さんと喋ってくれている九重さんにも挨拶を交わしたつもりだったのだけれど、何かあったのか気まずそうに視線を逸らされる。
「さっきも会長が来てたけど、咲夜と九重さんの二人がかりで追い返した」
 私が二年の彩風さんを気にしている間に私の教室へと来ていたのか。決して知らない仲じゃない幼馴染なのに、今の彩風さんの状態なんてまるで気にかける様子を窺えない会長。本当に私に告白するためだけにそんなにまで冷たくなれるものなのか。
 理沙さん的にはその方が未練を断ち切り易いのだろうけれど、本当にそれで良いのか。いくらなんでも冷たすぎるんじゃないのか。
 あまりにも思いやりが無さすぎる会長に、こっちが不安になる中、そっとため息をついていると、
「それで蒼依さんの調子はどうなの? メッセージでは元気みたいな事が書いてあったけど、学校戻って来れそう?」
 咲夜さんの中でも蒼ちゃんと仲直りをしたいって思ってくれているのか、一番に気にしてくれる。
「うん。元気は元気だよ。それに今日の放課後には後輩の女の子を呼び出して説教をする、叱るって言ってたよ。だけれどまだ痣自体は完全に消え切らないし、復学はもう少し後かな」
 本当なら二回目の妊娠検査もあったのだけれど、こっちは極めて繊細な話だから、男子もいる教室内で口にするのは辞めておく。
「そっか……寝たきりとか入院してたらどうしようかってずっと思ってたけど、良くなってるみたいでほんとに嬉しい」
「咲夜落ち着く。大体あたしは公園や仲直りが出来た愛美の部屋で蒼依と会ってる。しかも蒼依手作りのお菓子も貰ってる」
 確かにそうなんだけれど……それでもあの日は私たちにとって大きな意味を持っているのだから、
「二人とも蒼ちゃんを大切にしてくれてありがとうねっ」
 二年の教室での出来事に続いて、蒼ちゃんも順調には回復しているし嬉しい話も聞かせてもらえて更に笑顔になってしまう。
「……」
 のを教室の誰かから見られていた気がした。

「この調子なら蒼依だって咲夜を赦してくれる、愛美の笑顔はそれくらい尊い」
 ただ二人がさして気にする様子もないって事は、やっぱり私の気にし過ぎなのかもしれない。
 本当なら今さっきまで来ていたって言う、その会長の動向や追い返した際に何を言われたのかも合わせて確認をしておきたかったのだけれど、それでも先週よりかは教室内の空気は、ほんの少しだけでも軽くなった気がする。


 久しぶりの登校で先生も気合が入っているのか、予鈴が鳴った時点で教室に入って来る。しかも視線ではやっぱり私を探しているし。
 その先生が登壇したところで、早速朝礼を始めるとともに連休中の課題の回収を始めるけれど、これが理由でいつもよりも早い時間に教室に入って来たのかもしれない。
「よしよし。さすがに入試も近いし内申も気にして全員全ての課題提出だな。それじゃこのまま朝礼を始めるがさすがにこの四連休に関しては、誰一人部活違反者はいなかったらしい。お前ら先輩が後輩をしっかり指導したからだって教頭先生が褒めてたぞ」
 何が“誰一人いなかった”なのか。しかもワザワザマスターキーを私に渡している教頭が“後輩をしっかり指導している”と言い切れると言う事は、私の動向はしっかりとチェックしているって事なんじゃないのか。しかも姿も現さずこんな回りくどいやり方で私に気付かせるなんて、黒いだけじゃなくて意地も悪いんじゃないのか。
「それじゃ先週告知しておいた週末の部活ローテーションの話だが、当面の間、土曜日に体育会系の部活。日曜日に文科系の部活と割り振っての活動と正式に決まった。ただし季節休暇などに行われる大会なんかに関しては、例外なんかもあるから都度顧問の先生に確認してくれ。
 その関係もあって、公平性の観点から祝祭日に関しては文科系の部活を優先する形になったからな。今からの時期、お前らが直接部活に関わる事は無いだろうが、仲の良い後輩がいたらしっかり説明しといてやれよー。それから今回の部活の処遇に関しては統括会の手腕だから、感謝するなら俺たち教師じゃなくて統括会だぞー。それじゃ解散!」
 先生も先週より教室内の空気が軽いのを感じ取ってくれたのか、途中からではあったけれど間延びした先生の喋り方に変わる。
 それにしても私たち統括会のお手柄だって言っても、私たちはその会長と彩風さんの恋情に振り回されながら、何とか冬美さん続投と言う形でまとめるのに手一杯だったのだから、当然部活交渉なんて何もしていない。と言うか、こっちは教頭から課題までもらっているのだからそんなところにまで手が回る訳が無い。
「先生はああ言ってたけど――」
「――そうだよ。金曜日の統括会の時に“これくらいの交渉なら俺一人で十分だ”って言っていたくらいだから一人でまとめて交渉したんだと思う。だからお礼を言うなら会長にお願いね」
 本来ならこんなのチームなんて言えないし、駄目なのも分かるけれど、この件に関しては冬美さんとは別件なんだから、先週みたいにただゴタゴタするだけだったのなら、これこそみんなで相談、話し合いをすれば良かったんじゃないのか。
 これだけ一人で誰にも何も言わずに決めて交渉までして。一人別次元で能力が高いのは分かるけれど、書記の私は議事録になんて書けば良いのか分からない。
「そう言われても素直にお礼を言う気にはなれないよ」
「言う必要なんてない。会長は女子を大事に出来ない男子。仕事と結婚するべき」
 確かにお金や仕事柄で相手を選ぶ基準はあるのかもしれないけれど、これだけ男の人から怖い思いをさせられて、周りの女の子を涙させているのを目の当たりにして私の友達に大声を上げて怖がらせて。優珠希ちゃんみたいにもっと気の強い女の子ならともかく、私だったら実祝さんの言う通り、私とは全く考え方も価値観も違うんだから、その能力を生かして私になんてかまっていないで仕事に生きていけば良いと思う。
「そうだね。今でこその結果論だけど、あたしも愛美さんと会長が付き合わなくて良かったって思うよ」
 つまりここにいる三人は、能力は別として会長にはもう良い印象は何も持っていないって事で。
「ありがとう咲夜さん。そんな可能性は万が一にもなかったとはいえ、私も本当にそう思うよ。そしたらそろそろ午前の授業が始まるからそろそろ席に戻ろっ」
 先週の金曜日に一度三人で食堂で話をした時に、咲夜さん一人だけ考え方が違うと、その恋愛観が違うって落ち込んでいたけれど、そんな事は無い。なんだかんだ言って咲夜さんも同じ女の子なんだから、同じような価値観は持ち合わせているのだ。
 その相手のどこを重視するかは違ったとしても。
 私は色々再認識をして午前中の授業に備える。


 午前中の授業の間も相変わらずメガネの視線を感じてはいたけれど、なんでかは分からないけれど、休み時間に話しかけられたりとか私に触れようとする行動自体は無くなっている。
 だから会長からの告白と、結局朝は確認し損ねた彩風さんの動向に遠慮なく思考を割くことが出来た。
 その中で迎えた昼休み。
「愛美。咲夜と一緒に昼ご飯を食べる」
 咲夜さんを連れて来てくれた実祝さんがお誘いをかけてくれるけれど、
「ごめんね。今日も後は――友達の冬美さんとお昼の約束をしているから、二人で楽しんで来てね」
 今日のところは二人を見送る形を取らせてもらう。それから待つ事暫く、いつもと違ってにぎやかな冬美さん――と理沙さんの声が。
 まさか二人が仲良く一緒に来てくれるとは思わずに、私の方から出入り口に向かうと、
「言っときますけど今日5分以内で来れなかったのは、中条さんを説得してたからですから」
 まだ私は何も言っていないのに理由を口にする冬美さん。
「あっ! 雪野お前っ!」
「何が“お前”なんですか。なんて言葉遣いをするんですか。ワタシは理由を説明しただけじゃないですか。大体岡本さんを待たせたら面倒臭いですし、怒らせたら本当に怖いんです」
 な・に・が“面倒臭い”なのか。冬美さんの石頭にこっちがどれ程頭を抱えたのか分かっているのか。ちょっと友達になったからって好き放題言い過ぎじゃないのか。
「おい雪野。何で雪野が愛先輩に対して失礼な事ばっかり言ってんだ? 大体雪野の良い所も悪い所も含めて愛先輩は全部理解してくれてるんじゃないのか?」
 本来なら理沙さんの反論に応援したい所なんだけれど、
「――っ! ちょっと中条さん。変な事言うのは辞めて下さい。確かに上辺だけはそう聞こえるかもしれませんが、岡本さん程の舌を持った人間の言葉を額面通りに受け取らないで下さい。この人は空木先輩の彼女であるにもかかわらず、私の傷口に塩を塗るために、ワタシと空木先輩の仲に文句を言おうと友達になったと言ったんです」
 応援すればするほど、私への雑言が増えて行きそうだからと止めさせてもらう。
「分かったから。取り敢えずこのままだとどんどんお昼の時間が無くなるから、一度場所を移すよ。理沙さんも良いよね」
 その上で落ち着いてお昼を食べられる場所へと移す。

「それで今日は理沙さんも来てくれたんだ」
 落ち着いてお昼を摂れる場所。今日は理沙さんもいてくれるから頭の固い冬美さんを考慮して役員室ではなくて、いつものグラウンド横の四人掛けのテーブル席へと移動する。
「結局今日は彩風が休んだんで、愛先輩のお願いを聞こうと、雪野と昼メシしようと思ったんですよ」
“それに愛先輩もあーしを誘ってくれなかったんで”と拗ねる可愛い後輩。
 ただそれよりも気になっていた、
「彩風さん。結局休んだの?」
 可愛くない後輩だ。
「はい……なんでも“風邪ひいた”とだけ一言メッセージが入ってました」
 理沙さんもお弁当派なのか三人で、冬美さんはいつもの通り何かのキャラクタの描かれた包みを解いて、それぞれのお弁当を口に入れながらのお昼になる。
「霧ちゃん……」
 つまり長年思いを寄せ続けて来た会長から“お断り”されたショックから、今日は冬美さんに文句を言うって言っていたにもかかわらず、寝込んでしまったと言う事か。それでも長年の幼馴染なのに会長は朝から私の教室に来たのか。本当に朝も思ったけれど会長はあまりにも冷たすぎるんじゃないのか。
 しかも私もこれだけ周りの人は大切にしてって言っているのに、会長の呆れる行動と態度にため息が漏れる。
「今、岡本さんはため息をつかれましたけど、本当に辛くて休みたくなる気持ちも、どこか遠くへ逃げたくなる気持ちも分かりますよ」
「雪野、お前……」
 その溜息を聞き咎めたのか、私に対して彩風さんをフォローする冬美さんに驚く理沙さん。
「……違うよ冬美さん。今のため息はあまりにも冷たい態度を取る会長に対してだよ。そもそも幼少の時からの縁で幼馴染だったはずの彩風さんを、私に告白するからって言う理由だけで、そうも簡単に縁を切れるものなんだって会長に寂しくなっただけだよ」
 元々は私にとって、可愛くも大切だったはずの彩風さん。だから本来であれば彩風さんも大切にしてくれるのが私のお願いだったはずなのに私の話も希望も何も聞いてくれなかった会長。
 実は私の盛大すぎる勘違いで好きでも何でもなかったんじゃないかと今更ながら疑いたくなってしまう。
「いや、さすがに愛先輩から色々なお話を聞かせてもらって、彩風からも話を聞いた上で雪野の話も考慮すると、朝も言った通り、彩風はあの全装備してるクソ会長と付き合わない方が良い」
「な?! 朝もそんな事仰ってましたけど、恋が実らない方が良いって、血が流れてるんですか? 実は中条さんも人の皮をかぶった何かなんじゃないですか? 何で友達の応援をしないんですか?」
 本来は二人の問題だから周りの私たちが騒ぐ話ではないのは重々承知だけれど、私たちは彩風さんの相談に乗って、理沙さんに至っては今の彩風さんの状態まで知っているはずなのに。
 私は理沙さんの言葉に眉を顰めかけたのだけれど、会長との協力関係を断ち切ってまで尚自分の気持ちを大切にする冬美さんが理沙さんに食って掛かる。
「おいこら雪野。さっきから聞いてたらあーしを妖怪とか人外みたいに言ってるけど、喧嘩売ってんのか? それに“

”ってなんだよ。誰とあーしを一緒にしてんだ?」
 なのに私の聞きたかった答えとは別の言葉に反応してしまう理沙さん。本当に冬美さんは人の気持ちを逆撫でするのがうまいと思う。
「誰とって、そんなの何十枚もの舌を隠し持ってる岡本さんに決まってるじゃないですか」
 ……そうか。冬美さんの中で私は友達じゃなくて本当に妖怪なのか。
「愛先輩と一緒……」
 しかも理沙さんも否定するどころか納得している節すら見受けられるし。
「――分かった。

まで『?!』私を妖怪だと思っていたって事――」
「――違いますって! あーしはただ愛先輩と同じだったのが嬉しくてですね……雪野。後で覚えてろよ」
 私が妖怪だって否定しなかったクセに何が“覚えてろよ”なのか。私は二人に仲良くして欲しいのにこれはどう言う事なのか。
「中条さん。私の友達に文句があるんなら私が代わりに聞くけれど、どうする?」
 だから私は二人の仲裁に入ろうと言うのに、どうして二人共が動きを止めるのか。そんなところは二人仲良く同じ行動を取らなくても良いのに。
「あ……い、いえ。文句って言うかそうです。あのクソ会長と付き合わない方が良いって言うのは、彩風に対する恋愛の嫉みとかじゃなくて、あのクソ会長と付き合う前に醜悪な正体が分かって良かったって話です。
 付き合った後に分かったってどうしても情が移る分、いくらDVを装備したって束縛が強かったり、浮気が酷かったりしても、別れるのも想いを断ち切るのも大変なんです。だったら辛さがマシな分、今この時点で未練ごと断ち切ってしまった方が良いって話ですよ――雪野が本当に彩風を想うなら、そこら中で怒鳴り散らしたり男に手を出された姿なんて見たくないだろ。浮気されてしんどい想いをする彩風を見たいのか? そうじゃないだろ? それで愛先輩。あーしの呼び方は……」
 ――どう考えても理沙さんの方が恋愛上級じゃないのか。確かに私の友達や金曜の言動を見ていると彩風さんを大切にしてくれないって言うのは目に見えているのだから、下手に二人はうまく行ってしまわない方が良いのかもしれない。
 実際私はこれ以上ないと言うくらい酷い形で目の当たりにしているのだから。
「分かったよ理沙『やたっ』さん。とにかく統括会の間は私が盾になるように協力するね」
 だったら私の答えなんて一つだけだ。
「だったら岡本さんも、会長と二人きりになる金曜日だけは本当に気を付けて下さい。昨夜会長から連絡がありまして岡本さんに金曜日告白するから、空木先輩の妨害を阻止するためにもワタシに同じタイミングで空木先輩に告白して足止めをお願いするって言って来てます」
 ……えっと。色々な人に相談している私が言うのもなんだけれど、本人のいない所でそんなプライベートな人の気持ちまで喋っても本当に大丈夫なのか。
「おいっ! 雪野お前まさかっ!」
「勝手に失礼な想像をしないで下さい。中条さんの頭の中は何も入ってないんですか?『お前また――』――今朝ワタシは自分の友達を危険に晒して空木先輩を盗り返したくありませんと『……』だからもちろんお断りしました。それに、本気で告白するんでしたら、この場で作戦を言う訳ないじゃないですか。その頭に何か入ってるんなら少しくらいその中身を使って下さい」
「だったら良いけど……雪野。人をバカにし過ぎだぞ――って愛先輩どうしたんですか?」
 私が色々な懸念事項を思い浮かべている間に、二人だけで話を完結させてしまってから、私の様子が気になったみたいだから
「本人がいない所で、これだけ好き勝手話をしているけれど、本当に大丈夫なのかなって」
 私だったら嫌だし辛い。
「愛先輩のその優しさは分かりますけど、今回は駄目……と言うより意味がないです。そもそも統括会内で副会長がいるにもかかわらず、それだけ言ってて気持ちを見せて“俺の女にするから手を出すな”と言わんばかりに周りをけん制してるんですから、むしろこっちが嫌だってしっかり意思表示をしないと、外堀を埋められるパターンです」
「しかもハッキリと協力関係を断ち切ったはずのワタシを利用して、空木先輩を封じた上で岡本さんと既成事実を作るつもりなんだと思います。それにワタシのメッセージにこれだけハッキリと会長から岡本さんへの気持ちが書いてあるんですから、岡本さんが今更どう思っても、会長ご自身でこれだけ広めてたら、不本意ですけど中条さんの言う通り意味ないです」
 それって私の心配なんて取るに足らないくらい大ごとになっているんじゃないのか。本当に私は大丈夫なのか。いつの間にかあんな会長とお付き合いをすることになっているんじゃないのか。なんだかものすごく不安になって来た。
「ちなみにあーしの予想通りなら、愛先輩の教室に会長の存在を誇示するためにかなりの頻度で姿を見せててもおかしくないんですけど」
 ちょっと待って。ただですら不安だったのに、そんな思い当たりのありすぎる事を言い当てて、ガケから落とすように不安を煽らないで欲しい。
 私が復学してからほぼ毎日顔を見せに来ているって聞いているから、それから逃げるのにこっちは必至なのに。
「そのご様子だと、中条さんの仰る通りみたいですね。とにかく正々堂々と勝負しろと仰ったのは岡本さんなので、変な事は考えずに嫌だとしっかり意思表示をなさって下さい」
「それから今の話、蒼先輩はご存じなんですか?」
「ずっと公欠中だから知っている訳ないよ」
 そもそも会長の行動にそこまでの意図があるなんて思ってもいなかったから、そんな話は一切していない。
「……分かりました。じゃあ今日蒼先輩に叱られに行くついでに、今の話もしっかり伝えておきます」
 しかも私の不安の中で終わりそうな話、
「ちょっと待――」
 蒼ちゃんに話すのだけはまた雷も落ちそうだし、余計話が大きくなりそうだから止めたかったのだけれど、ここで昼休み終了の予鈴が鳴ってしまう。
「それじゃあーしらは行きますんで」
「岡本さんは霧ちゃんの事よりも、まずはご自分の身の安全を第一に考えて下さい」
 そう言って二人はいつの間に食べ終えたのか、空になったお弁当箱を持って、自分の教室へと戻っていくのを不安な気持ちの中、せっかくお母さんが作ってくれたお弁当なのに、食べきれなかったお弁当を片付けながら見送る。

―――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――
     会長からの想いと共に、気付けば埋まって行っている外堀
           その行動力に恐怖心すら感じる中、
          クラスメイト、友達に励まされる主人公

               そして最後の総括
         イジメ対応マニュアルに沿った話も出て来て
               更に深く迷う主人公

  「慶久! なんてものの言い方をするの! お姉ちゃんに謝りなさい」

           第202話 印象と心象による感受変化
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