第26話 2021.4.26 握りっ屁戦争継続中

文字数 3,306文字

目が覚めると腕が痺れていた。変な体勢で寝ていたらしく腕を動かして血が流れるようにしてもしばらくジンジンしていて、今夫が来て触られたら死ぬなと思っていたら治ってきた頃に夫がやってきたので助かった。「何時に寝たの?」と聞かれて5時ごろと答えたら「もう10時間寝てるから起きなよ、嘘だけど」と言われる。目も覚めたので起きようとしたら夫が腕を引っ張ってくれ「寂しいから起きて」と言う。
一緒にリビングに行き、コーヒーが飲みたいと言ったら淹れてくれた。一人分しか作っていなかったので夫は飲まないのかと聞いたら「僕は最近紅茶が好きなんだ」と言って最近買ったイングリッシュブレックファストを淹れていた。確かにこの前胸を詰まらせた時からコーヒーをあまり飲まなくなったかも。胃が弱ってるのかな。お茶は貰い物などで何種類かあるのだが夫は自分が飲みたいものしか絶対に飲まないので気に入っていないものは全然減らない。もったいないからと飲んでしまう私からするとそんなキッパリとした夫が眩しい。

一緒にリビングで作業していたが、突然喧嘩した。何ヶ月も前から夫が旅行に行きたいと言い、その度に「いいね、いつでも良いよ」と言っていたのだが「でもな〜〇〇がな〜」と、その〇〇はその都度違うのだが色々理由をつけて具体的に行こうとはしないでいた。行きたいって言いたいだけなのかなと思っていた。私も本当は行きたいのだが、今の時点で言い出すとスケジュール的に厳しかった。ゴールデンウィークは外したいと言うので行くならゴールデンウィーク以降、そうなったらもう体外受精のために1日おきに病院に通って注射をしてもらうスケジュールが始まってしまうので旅行は無理だ。矢継ぎ早に「それって何日から何日なの?」「全部で何日行くの?」と聞かれ、流れでやっていこうと思っていて把握してない私は罪悪感からイラッとする。どうせまた言ってるだけのくせにと思ってしまう。私は旅行に行きたいと思いながらなかなか実行に移されないことにイライラしていたんだと思う。それでも体外受精が始まるからもう行かなくてもいっかと思っていたのに、ここにきて夫が自分勝手に言い出したのにムカついていたんだな。
気を取り直して資料を見て「月経開始の2日目に受診して薬を飲み始めて、4日目から隔日で注射だよ」と答えると夫は「もういいよ、お前とはもう一生旅行いかねーから。まじめんどくせー」と言ってキレ始める。なんで怒ってるの?と聞くと「お前がイライラしてるからだよ」と言って「あーうぜーお前ほんとめんどくせーやつだな!クソが!クソが!クソが!クソが!」と言いながら仕事部屋に移動していった。お前がめんどくせーよと思ったし言ったが、私がイライラしているのも事実なのでしょうがないかな。
夫に「なんで最近いつもイライラしてるの?」と聞かれて答えられなかった。イライラしてはいない、というか何に対してもやる気が起きず無気力でいたと思っていたのでイライラしていた自覚はない。そうか、イライラしていると思ってたんだなあ。

夫が仕事部屋に行ったのでリビングの掃除をする。ラグも布団乾燥機でダニ退治。頻繁にやらないと不安でしょうがない。すぐ痒くなる気がする。家中掃除機をかけ、洗濯機と食洗機を回す。最後にウェットシートでこびりついた汚れを拭き取り完了。

リビングでPC作業をしていたら夫がやってきたのでペペロンチーノを作って欲しいとお願いすると作ってくれた。地元野菜を売ってるところで買ったパプリカをたくさん入れてもらった。美味しい。

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私の分しか作らなかったのが残念なくらい美味しくできたので夫が後悔してかなりつまみ食いしていた。夫は自分用には最後のチャーシューを使ったラーメンを作っていた。夫はこのチャーシューを丼にしたりしてかなり喜んで食べてくれたので作ってよかったな。また作ってねと言っていたし。でも炊飯釜がちょっとしばらく臭ったので次からは圧力鍋で作ろう。

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特に仲直りをした訳ではないが、もう喧嘩という雰囲気でもなく一緒にご飯を食べて夫は仕事部屋に戻っていったので私は食器を片付けてデザートを食べる。ダイエットを意識していた時にセブンイレブンで買ったレアチーズデザートというやつだ。カロリーが144kcalだがかなり濃厚な感じで美味しい。賞味期限も長いので秘蔵のおやつとして良さそう。

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リビングに夫がやってきて散歩に行こうと言うので用意して一緒に出かける。スーパーに行くつもりで歩いていたら、夫が「もっと歩きたいから隣の駅まで行こう」と言うのでスーパーを通り過ぎる。隣駅か海かどっちに行こうかと言ったら突然「それか立ち飲み行く?」と言い出した。調べてみたらどうやら28日からしばらく休業してしまうらしく、最後に行っておきたいなと思ったので少し周りを歩いてから店に入る。お腹が空いていなかったので少しビールを飲んだらすぐにお腹がいっぱいになってしまった。夫が「茶飯ちゃん何か不労所得なビジネスモデル考えてよ」と言ってくるので色々言ったら違うと言われ、例えばビジネスモデルって何?と言っても「ビジネスモデルだよ」しか言わないので話が噛み合わなかった。私は諦めてエッセイで作家として食べていくにはどうしたらいいかなと夫に聞いてみたら「知らない」と言われて話が終わった。角度を変えて私を表すような単語を何個か教えて欲しいとお願いしたら「掃除機」「洗濯機」「青」「海」「砂」「子供好き」「ゲーム」「バツイチ」「腐女子」などが出てきた。最初の掃除機と洗濯機は言ったら怒られると思ったらしく最初は言葉を濁していた。「普通はそういうの怒るかなと思って」と言い出したが、私は今まで何度となく夫からこれを言われているが別に怒ることではないと思っている。怒る人もいるかもしれないが、私は怒らない。それに反して私がずっと言い続けている握りっぺが嫌だと言うのが「本当は嫌じゃなくて喜んでいると思ってた」と言うのが納得いかない。本当に怒ってることは届かず、怒っていないことは怒っていると思われているってどういうことだ。人が嫌だと言うことは2回目はしない、やったらそれはいじめだ。もし自分の子供がパパやめてと言っても繰り返しやるのかと聞いたら「やる」と言っていたので絶望した。それは虐待だよと言ったら「暴行にはならないの?」と意味がわからない返事がきて「暴行は物理的なことじゃない?物理的に危害を与えなくても精神的苦痛を与えたらそれは虐待だよ」と話すが全然話が通じない。なぜか全ての話が離婚するかどうかに集約されてしまう。なぜ私が夫に意見を言うだけで離婚になるのかわからないし、離婚はそんな簡単な話じゃない。

お腹がいっぱいだし疲れたのでビール1本で店を出て家に帰る。帰ってから赤いきつねと緑のたぬきが食べたくなったので夫を誘ってスーパーに一緒に向かった。そこで酔っていたせいもあって大きな声で握りっぺの話で言い合いになってしまい、キレた夫は「もう1人で行けよ」と言って引き返してしまった。暗くて危ないから一緒に行ってよと言ったが「知らねーよ」と言われた。悲しかったが、夫を追いかける気にもなれずスーパーに1人で行った。夫が言った「俺のエンターテイメントを一つ奪うのか」という言葉もショックだった。私が本当に嫌だというのがまだ伝わっていないのか。それとも嫌だとわかった上でやりたいのか。夫は「イヤよイヤよも好きのうちなんでしょ」と言っていたので、本当に嫌なんだと言ったのだが。。。あーほんとにやだ。。。

このままどこかに行こうかなとぼんやり思ったが、それもめんどくさくてスーパーで赤いきつねと緑のたぬきとコーラを買って帰った。一言も口をきかずに緑のたぬきを食べ、メイクだけ落として寝た。まだ20時だったが疲れ果てていた。

多分握りっぺがどうこうという問題は上辺で、本当の問題は違うところ、お互いの内側にあるんだろう。他人は鏡だ。夫は何かに対してイライラしていて、その気持ちを外にぶつけているし私も疲れている。もっと深いところを癒す必要があるだろう。
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