職場(社長室)

文字数 390文字

「鈴木君。まさか、君が関係しているんじゃないだろうね。」
「いえ、わたしは見舞いに行っただけで。」
「酒を持ってったそうじゃないか。病室で一杯やるつもりだったのか?」
「いえ、邪気払いなんですけど。うちの田舎の風習でして。本来なら清め塩を持って行くんですが、無いときには酒で代用します。が、うっかり置いて帰ってきてしまったようで。」
「すぐに、先輩の担当を決めてくれよ。だいたい、君のミスで苦労したんだからな。『手土産は、パンツーだから気をつけろ』といったのに、パンツを渡すとは呆れたやつだ。後がまがみつかるまでは今の部署においておいてやるがな。」
「いや~、まさか食べるほうのパン通だと思いませんでした。」
「幸い同伴してた彼が、自宅用にと持っていた人気の『生食パン』を、気を利かせて渡したから、ジョークだと思ってくれたんじゃないか。一緒に居たわしも、あの時ばかりは焦ったぞ。」
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登場人物紹介

武志

自分が死んだ理由を霊になって調べる

事務計算会社営業の係長補佐

主な仕事は電話番

運転は苦手でほとんどしない

酒は飲めない

将史

武志の兄

両親の死後、家業の買取屋を継ぐ

出張買取が多く、運転は得意

鈴木係長

武志の上司

気が弱く、酒好きで、おっちょこちょいのお調子者

議員の息子

親の秘書。議員を守るためなら死をもいとわない


看護師

武志を担当していた

気が弱い

保険会社の課長

取引先の武志をとても気に入って、担当に指名

武志の勤める会社社長の中学での先輩

スリの男

公園に住み着いている

武志と将史の父

一代で財を築いた

還暦

豪華客船の旅が夢

武志と将史の母

武志の友人

病院の掃除のおばちゃん

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