居酒屋

文字数 380文字

「マスター。おーかーわーりー。」
「ちょっと、飲みすぎですよ。」
「どうせ、殺人犯にされちまうんだ。」
「穏やかじゃないですね。」
「ちょっと厚手の封筒を拾ったんだ。財布のそばにあったから、てっきり札束かと思ったね。そしたら、なんと遺書。捨てようかと思ったけど、話の種にと職場に持って行ったよ。それを、うっかり患者の室内で落としちまったらしい。意識不明だった患者が、それを持って自殺。警察が信じるわけないだろ。」
「正直に生きていれば信じてくれる人も現れますよ。」
「無理だよ。担当患者がよく自殺するんで、かなり疑われているから。精神疾患の患者ばかり回ってくるんだ。嫌がらせかと思うよ。俺もちょっと頭にきて、いたずらしてやったけど。」
「気を取り直して。一杯おごりますよ。」
「これでもは後悔してるんだぜ。あいつの事故の記事、ゴミ箱から机に置きなおしたこと。」
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登場人物紹介

武志

自分が死んだ理由を霊になって調べる

事務計算会社営業の係長補佐

主な仕事は電話番

運転は苦手でほとんどしない

酒は飲めない

将史

武志の兄

両親の死後、家業の買取屋を継ぐ

出張買取が多く、運転は得意

鈴木係長

武志の上司

気が弱く、酒好きで、おっちょこちょいのお調子者

議員の息子

親の秘書。議員を守るためなら死をもいとわない


看護師

武志を担当していた

気が弱い

保険会社の課長

取引先の武志をとても気に入って、担当に指名

武志の勤める会社社長の中学での先輩

スリの男

公園に住み着いている

武志と将史の父

一代で財を築いた

還暦

豪華客船の旅が夢

武志と将史の母

武志の友人

病院の掃除のおばちゃん

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