病院(廊下)

文字数 266文字

「まったく、掃除する身になってもらいたいよ。」
 三角巾をかぶり、掃除用具を持った老婆がいた。ぶつぶつと独り言をつぶやいている。
「飲んだり食べたり、散らかし放題。前のやつも、新聞やら酒やら持ち込んでたし。特別室に入るやつらってのはどうして行儀が悪いんだろうね。しかし、この前は惜しかったな。カップ酒なんて置いてあっても、どうせ意識不明で飲めないんだからと思って開けたところで、呼び出されちまったからな。たまには、こういう役得もないと掃除なんてやってらんないよ。部屋に落ちてた遺書をちゃんと持たせてやったんだから、成仏してくれよ。」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

武志

自分が死んだ理由を霊になって調べる

事務計算会社営業の係長補佐

主な仕事は電話番

運転は苦手でほとんどしない

酒は飲めない

将史

武志の兄

両親の死後、家業の買取屋を継ぐ

出張買取が多く、運転は得意

鈴木係長

武志の上司

気が弱く、酒好きで、おっちょこちょいのお調子者

議員の息子

親の秘書。議員を守るためなら死をもいとわない


看護師

武志を担当していた

気が弱い

保険会社の課長

取引先の武志をとても気に入って、担当に指名

武志の勤める会社社長の中学での先輩

スリの男

公園に住み着いている

武志と将史の父

一代で財を築いた

還暦

豪華客船の旅が夢

武志と将史の母

武志の友人

病院の掃除のおばちゃん

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み