事故現場
文字数 425文字
武志は両親が溺死した事故現場に移動した。
「お前の運転では心配だ。アルコールが抜けたら俺が運転するから近くの空き地で休んでいこう。」
将史に促され脇道に入った。武志は真っ暗な細い道を、将史の誘導に従い、ワンボックスの大きい車をゆっくりと進めた。やがて、川のそばの小さな空き地で車を止めた。もたつく武志に代わり、将史が助手席から足を伸ばしてサイドブレーキを踏んだ。
「寝ててもいいが、エンジンは止めるなよ。」
師走の車内だ。エアコン無しではいられない。久々の運転で緊張したのか、武志はすぐに眠ってしまった。
「ここから、記憶がない。まさかドライブに入れたまま寝ちまったってことはないよな。」
運転に不慣れな武志だ。パーキングにするのを忘れたとしても不思議はない。そもそもシフトチェンジした覚えがない。ブレーキを踏んでいた足が離れ、自動車が川に落ちたというのだろうか?師走の川だ。両親を助けることはできなかっただろう。
「ぼくは兄に助けられた?」
「お前の運転では心配だ。アルコールが抜けたら俺が運転するから近くの空き地で休んでいこう。」
将史に促され脇道に入った。武志は真っ暗な細い道を、将史の誘導に従い、ワンボックスの大きい車をゆっくりと進めた。やがて、川のそばの小さな空き地で車を止めた。もたつく武志に代わり、将史が助手席から足を伸ばしてサイドブレーキを踏んだ。
「寝ててもいいが、エンジンは止めるなよ。」
師走の車内だ。エアコン無しではいられない。久々の運転で緊張したのか、武志はすぐに眠ってしまった。
「ここから、記憶がない。まさかドライブに入れたまま寝ちまったってことはないよな。」
運転に不慣れな武志だ。パーキングにするのを忘れたとしても不思議はない。そもそもシフトチェンジした覚えがない。ブレーキを踏んでいた足が離れ、自動車が川に落ちたというのだろうか?師走の川だ。両親を助けることはできなかっただろう。
「ぼくは兄に助けられた?」