警察(取調室)
文字数 412文字
「刑事さん、あの遺書は自分のためのものです。」
「正直に言え。口封じのため殺した同僚を自殺にみせかけるための遺書だろ。」
「いやだな。刑事ドラマの見すぎですよ。議員本人に問題が起これば、いつでも責任をかぶって自殺する。議員の秘書なんてものは、保険と一緒なんです。あなたたちだって辞職願を用意しているでしょ。われわれは、それが遺書なんです。万一の場合、遺書を書いている間があるかどうかわかりませんから。ですから、『今回のことはすべて自分ひとりの責任です』みたいな抽象的なことしか書いてないでしょ。」
「その遺書が何で他人の手にあるんだ。まさか、そっちまで関係してるんじゃないだろうな。」
「ですから、刑事さん、何度も言っているように掏られたんですよ。電車で財布と一緒に。」
「警部、確かに、財布の被害届は出てますね。」
「その時、なぜ、遺書の事は言わなかったんだ。」
「言う必要はないと思って。また、書き直せば済むことです。」
「正直に言え。口封じのため殺した同僚を自殺にみせかけるための遺書だろ。」
「いやだな。刑事ドラマの見すぎですよ。議員本人に問題が起これば、いつでも責任をかぶって自殺する。議員の秘書なんてものは、保険と一緒なんです。あなたたちだって辞職願を用意しているでしょ。われわれは、それが遺書なんです。万一の場合、遺書を書いている間があるかどうかわかりませんから。ですから、『今回のことはすべて自分ひとりの責任です』みたいな抽象的なことしか書いてないでしょ。」
「その遺書が何で他人の手にあるんだ。まさか、そっちまで関係してるんじゃないだろうな。」
「ですから、刑事さん、何度も言っているように掏られたんですよ。電車で財布と一緒に。」
「警部、確かに、財布の被害届は出てますね。」
「その時、なぜ、遺書の事は言わなかったんだ。」
「言う必要はないと思って。また、書き直せば済むことです。」