あとがき
文字数 527文字
武志が自殺したと思った将史は、両親の墓の前でギャンブルは止めると誓った後、警察に出頭して総てを話した。父親を事故に見せかけて殺すつもりで、わざと検問に引っかかり、川のそばの空き地へと誘導した。しかし、怖くなって一服したら帰ろうと思ったそうだ。窓を少し開け、タバコを吸っていると車が動き出した。助手席から踏んだためサイドブレーキをかけ損ねたのだろう。このぶんだと証拠不十分で罪にはならないだろう。将史が病院の特別室にこだわったのは、弟へのせめてもの償いのつもりだったのだろう。
「せっかく改心したんだ。兄にはこっちの世界に来たときに真相を話してやろう。」
その後、武志は父親から、長男である将史は一国一城の主として立派な人間に、次男である武志は長男を助けて活躍する武士のように育って欲しいとの両親の願いが込められてめられていたことを初めて聞かされた。
今、武志と彼の両親は大きな船の上にいる。明るい日差しに賑やかな人々の声。三途の川ではないようだ。
「まさか、死んでから夢が叶うとはなあ。」
武志の父親がデッキから一面に広がる真っ青な海を見ながら言う。三人は成仏する前に、父親の夢である豪華客船の旅に出たのだ。霊である彼らは、もちろんタダである。
「せっかく改心したんだ。兄にはこっちの世界に来たときに真相を話してやろう。」
その後、武志は父親から、長男である将史は一国一城の主として立派な人間に、次男である武志は長男を助けて活躍する武士のように育って欲しいとの両親の願いが込められてめられていたことを初めて聞かされた。
今、武志と彼の両親は大きな船の上にいる。明るい日差しに賑やかな人々の声。三途の川ではないようだ。
「まさか、死んでから夢が叶うとはなあ。」
武志の父親がデッキから一面に広がる真っ青な海を見ながら言う。三人は成仏する前に、父親の夢である豪華客船の旅に出たのだ。霊である彼らは、もちろんタダである。