第17話
文字数 736文字
試験の初日がやってきた。
朝から空は重たくて、花純の気持ちも重たかった。
傘があると電車の中でノートが開けない。
雨だと駅まで自転車も使えない。
ギリギリまでノートやマーカーを引いた教科書を見て学校まで移動したかったが仕方がない。
いつもより少し早めに、花純は家を出た。
駅の改札を抜けて地上に出ると、学校まではほぼ一本道だ。
坂道をのぼりきると中間地点、そこからなだらかに坂をくだって校舎の芸術棟沿いをすすみ、角を曲がると生徒用の校門がある。
毎朝、生徒たちは駅から校門まで少し間隔が広めの行列を作るように歩いていた。
坂道をくだる途中、普段人がいない芸術棟と校舎の間に人だかりができているように見えた。
少し気になったが、今はそれよりもギリギリの試験勉強だ。教室へ急ごう。
試験期間は出席番号順に着座する。
教室の中は座って勉強をする生徒や問題の出し合いをする生徒、机に突っ伏して睡眠する生徒でいつもと違う雰囲気だった。
花純は窓側後方の自席に座り、雨音を聞きながら教科書を見直していた。
予鈴が鳴り、誰もが席に戻った。はずなのだが、花純の後ろの席は鞄だけ置かれて空席だった。
小雪さんはトイレかな。朝礼までに戻ってくるかな。
先生と小雪さんのどちらが先に教室に来るだろう。
先生の方が早かったら小雪さんは遅刻になってしまうのだろうか。
花純は教科書を流し見しながら教室の後ろのドアを気にしていた。
先に開いたのは教室の前のドアだった。
だが、教室に入ってきたのは青木ではなかった。
「みなさん、おはようございます。」
学年主任の西川が声をかけながら教室に入ってきた。
あれ?なんで西川先生なの?
青木先生は?あれ?
想定外の西川の登場に教室内はざわついた。
「青木先生は病院に行ったので、代わりに私が朝礼をしますよ。」
朝から空は重たくて、花純の気持ちも重たかった。
傘があると電車の中でノートが開けない。
雨だと駅まで自転車も使えない。
ギリギリまでノートやマーカーを引いた教科書を見て学校まで移動したかったが仕方がない。
いつもより少し早めに、花純は家を出た。
駅の改札を抜けて地上に出ると、学校まではほぼ一本道だ。
坂道をのぼりきると中間地点、そこからなだらかに坂をくだって校舎の芸術棟沿いをすすみ、角を曲がると生徒用の校門がある。
毎朝、生徒たちは駅から校門まで少し間隔が広めの行列を作るように歩いていた。
坂道をくだる途中、普段人がいない芸術棟と校舎の間に人だかりができているように見えた。
少し気になったが、今はそれよりもギリギリの試験勉強だ。教室へ急ごう。
試験期間は出席番号順に着座する。
教室の中は座って勉強をする生徒や問題の出し合いをする生徒、机に突っ伏して睡眠する生徒でいつもと違う雰囲気だった。
花純は窓側後方の自席に座り、雨音を聞きながら教科書を見直していた。
予鈴が鳴り、誰もが席に戻った。はずなのだが、花純の後ろの席は鞄だけ置かれて空席だった。
小雪さんはトイレかな。朝礼までに戻ってくるかな。
先生と小雪さんのどちらが先に教室に来るだろう。
先生の方が早かったら小雪さんは遅刻になってしまうのだろうか。
花純は教科書を流し見しながら教室の後ろのドアを気にしていた。
先に開いたのは教室の前のドアだった。
だが、教室に入ってきたのは青木ではなかった。
「みなさん、おはようございます。」
学年主任の西川が声をかけながら教室に入ってきた。
あれ?なんで西川先生なの?
青木先生は?あれ?
想定外の西川の登場に教室内はざわついた。
「青木先生は病院に行ったので、代わりに私が朝礼をしますよ。」