第30話
文字数 682文字
気が付くとあちしは、城の自分のベッドの上にいた。
あれ……あちし、生きてる……。
体が……すごく楽になっているでし……
ミトル、気が付いたか……
……。
ぼっちゃん……あちし……
……俺を誰だと思っている。
魔界の王子だぞ。
魔剣の暴走を止めたり、
ヴァンパイアの血が入っていようがなんだろうが、
なんとかできないわけないだろう
そうでし……何も不思議じゃないでしよね。
だってぼっちゃんは……
最強で、最高の……。
あちしの憧れの人なんでしから……
そういうとぼっちゃんは、照れくさそうに顔を赤くした。
いや、ちょっとばかり石になっていたがな
問題ないでし！
……ところであの後どうなったでしか……？
敵のボスにも勝って、ヴァンパイアの呪いも解いたし、魔剣も取り返したぞ。
やつらの城もめちゃくちゃに荒らしてやったし、当分は大人しくなるだろう
さすがぼっちゃんでし！
いや、だが……
そこに真っ黒い剣の束らしきものがあちしの目に入った。
……え……ぼっちゃん、そこにある黒くくすんだボロボロの剣はまさか……
そのまさかだ……。
今まで集めた魔剣は全部パーだ……
戦いに巻き込まれて……な
うわ……辛いでし……
まあヴァンパイアシリーズや神殺しの剣以外は、
ほとんどデザイン重視で選んだものばかりで、
魔力の高いものではなかったからな……。
ふぅ……しょうがないから、また集めるとするよ……。
まあ、まだ欲しい魔剣は山ほどあるからな……
あちし、手伝うでし！
あちし、ぼっちゃんのパートナーでしから……
ふふ……
よし、それじゃこれからもたのむぞ
はい、でし！
そんな感じで、ぼっちゃんとあちしの、魔剣を探す毎日は、まだまだ続くのでし！
ＦＩＮ
