第24話
文字数 1,306文字
気配を消したせいか、城の中には、ちょっと弱そうなヴァンパイアがわらわらといたけれど、
意外と気づかれずに、中を探ることができた。
とりあえず上へ上へと階段を上る。
階段途中の窓から差し込む月明かりを受け、
階段に座っている男ヴァンパイア。
姿と気配を消しているはずなのに、そいつに急に声をかけられる。
あちしはそいつに向かって力いっぱい魔アイテムを投げつけた。
そいつはあちしの魔アイテムをなんでもないもののようにさっと振り払った。
次の瞬間、そいつと目が合うと、自分の体の自由が奪われた。
そのままふわっと体を浮かされ、
あちしはそいつの体に倒れ込む。
そういうとそいつはあちしの首筋にそっと噛みついた。
そいつの体からふっと力が抜ける。
……残念だったでしね。
あちし、ただの悪魔じゃなくて、生死を司る悪魔の血も入ってるんでしよ。
人間には今のあちしの血は猛毒でしが、
同じ魔族なら、ちょっといねむりするぐらいですむと思うでしよ。
よかったでしね
パタッと床に倒れ、眠ってしまう男ヴァンパイア。
あちしは上への階段をのぼった。
噛まれた傷口がズキッと痛む。