第28話

文字数 1,154文字

あちしはボスと呼ばれるヴァンパイアと戦うことになった。



……だけど魔法は全然効かず、魔法剣での攻撃も、魔アイテムの攻撃もすべて跳ね返された。



あちしは、敵の魔法攻撃を何度か食らうと、


あっさりと倒れて動けなくなった。


ふふふ、残念だったな。いろいろとがんばってはいたみたいだが

(……全然敵わないでし……


これまででしか……やっぱり……あちしぼっちゃんがいないと……)

大丈夫。殺しはしない。


お前にはヴァンパイアの血が入っているのだからな

……

これからお前には、ヴァンパイアとして


我が王国の為に生きていってもらうことにしよう

ふざけないで欲しいでし……
……これが何か分かるか?

ボスの手には、ぼっちゃんの部屋に飾ってあった剣があった。


剣の周りに、黒く邪悪なオーラを感じる。


……

魔界はすっかりぬるくなってしまった。


私は今の世界はとてもつまらないと思っている。



人間界を一瞬で支配することもでき、天界をも攻め込めるような魔剣を、


部屋に飾るだけの、ぬるい王子にもうんざりだ

……

これは、神殺しの剣だ。


どういうことだか分かるか?



魔神の一族であるルシフェルも殺せるということだ。



最終的には私が手を下そうかと思っていたが、ちょうどいい。


お前に、やってもらうことにするよ。


その方が楽しめそうだ。ククク


ボスの瞳が怪しく光る。


あちしはとっさに目をつぶって、ワンピースの袖でガードする。

(あれは……自分の城で一度くらったことがある邪眼でし……)

くくく……


同じ手はくらわないか。



それではヴァンパイアの血に働きかけるとしよう。



まだヴァンパイアの血がまわっていないとはいえ、


もうだいぶ侵されてきたころだろう……?


ボスが謎の呪文を唱える。

(……!


やばいでし……


体中の血が……熱い……。



このままじゃ、また、操られて……)

……ぼっちゃん……
さあ、神殺しの剣を手に取り、ルシフェルを殺すがいい

……殺すわけ……ないでし……。



あちしだって……魔剣、もってるでし……


とっておきのものを……。



……この剣は、持ち主の命を吸って、持ち主の魔力を桁違いに上げてくれる剣なんでしよ

……?
”魔剣よ……力を貸すでし……”

あちしは石化や呪いを解く、本来のあちしでは取り扱うことのできない、


最高ランクの呪文を唱えた。


”ぼっちゃんを……完全復活させるでし……



あちしの……命と……引き換えに……”

魔剣があちしの声に反応して、パァッーと光り出した。

……なんだと……

魔剣はあちしを黒いもやで覆うと、


その後石化したぼっちゃんを包み込み、ぼっちゃんの石化と弱体化の呪いを解いた。



あちしはその場にぱたっと倒れる……。



ぼっちゃんがすぐにあちしの元に瞬間移動してくると、


あちしの傷をさっと治してくれた。

……。


ミトル、がんばったな

ぼっちゃん……。


ぅぅ……

大丈夫、後は任せておけ。

……お前ら、よくもやってくれたな
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登場人物紹介

ミトル

ルシフェル

ふわふわ

ヴァンパイア

ヴァンパイア2

ヴァンパイア3

その他人物

その他人物

その他人物



↓以下ネタバレあり表情など。


読む前に見ない方がいいかもしれません。

ミトル

ミトル

11

12

10

ヴァンパイア1


獣型ヴァンパイア

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