第25話

文字数 973文字

広い回廊を走っていると、


突然床がうにゃっと柔らかくなり、


足が沼のように沈んだ。


(……これは……)

あちしはジャンプすると翼を広げ、宙に浮いた。



そのまま行き先の方へ進もうとしたが、


突然飾ってあった2体の騎士像が動き出し、


宙に浮いたかと思うと、あちしに向かって剣を振り下ろしてきた。


……!


あちしはその攻撃をさっとかわす。


(……誰かが、この像を操っている……


この辺り一帯に何者かの魔力を感じる……)

騎士の像は、3体、4体と動き出し、次々襲い掛かってきた。


(これはやっかいでしね……


操っているやつを見つけないと、


像を破壊したところで、次の攻撃がくる……)

あちしは騎士の像から逃げつつ、


操っている人物の気配を探った。




あちしはいつのまにか食堂のようなところに誘い込まれていた。




今度はそこに置いてあったテーブルとイスがガタガタと動き出し、


フォークとナイフが飛んでくる。



あちしは魔法をぶつけるとフォークとナイフを叩き落した。

どういうつもりでしか……こんなこけおどし……


そこにピーっという口笛が聞こえた。


その音を聞きつけてか、どこからともなく現れたコウモリの群れが、


一斉にあちしに襲い掛かってきた。




襲い掛かってきたコウモリに苦手そうな音波を食らわせると、コウモリは目を回し、


辺りにポトポト倒れて行った。

(……居場所、見つけたでしよ……)

それで、隠れてるつもりでしか?

まるみえでしよ。



こんな子供だましなこけおどしや


ちゃっちなコウモリで襲ってくるなんて、なんのつもりでしかね?

ははは、勇ましいんだね。


人間の子供だと、こうやって出迎えると、すっごく怖がってくれて、面白いんだけどね

男ヴァンパイアがあちしの声に答える。
……怖がるわけないでし

小さくてかわいいお嬢ちゃんだから、


何も出来なくて城で震えているのかと思っていたけど、


なかなか骨があるみたいだ

あんまりなめないで欲しいでしね……

あちしはそいつの懐に瞬間移動すると、


そいつの体めがけて、魔法で生成した短剣を思いっきり振り下ろした。


ははっ、遅いよ


あちしの攻撃はさっとかわされ、


次の瞬間、あちしの体はテーブルクロスにきゅっと捕まった。


(……!動けない!)
ね、君、ヴァンパイアの血を入れられたでしょ
……
君の事をどうするかは、ボスに聞くことにするね


あちしはテーブルクロスにくるくると巻かれたまま、


そいつの肩にひょいっと乗せられた。

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登場人物紹介

ミトル

ルシフェル

ふわふわ

ヴァンパイア

ヴァンパイア2

ヴァンパイア3

その他人物

その他人物

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↓以下ネタバレあり表情など。


読む前に見ない方がいいかもしれません。

ミトル

ミトル

11

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ヴァンパイア1


獣型ヴァンパイア

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