第13話
文字数 429文字
”ミトル、ミトル、しっかりしろ……！”
（ぼっちゃん……？）
気が付くと、あちしは地面に倒れており、
鍾乳石から滴りおちている水が、あちしの頬をぺちぺちと叩いていた。
（ぼっちゃんの声が聞こえた気がしたけれど、夢……でしかね……？）
あちしはゆっくり立ち上がると、バサッと翼を広げてみた。
（翼、傷ついてしまったでし……
回復薬は一応あるでしが、魔力も少なくなってきたし、
しばらくは探索できなさそうでしね……。
ふぅ……）
あちしはその場が安全であることを確かめると、ポンと腰をおろした。
（お腹減ったから、お菓子でも食べるでし……）
あちしは持っていた袋の中からガサガサとお菓子を取り出した。
（……１人で食べても美味しくないでしね……。
……魔剣探し……。
ぼっちゃんと一緒にいるときは、あんなに楽しかったのに、
今は全然楽しくないでし……）
（……。
魔力切れで、視界が狭くなってきたでし……。
心細いでし……
ぐしぐし……）
（……とりあえず、もうしばらく休んで、魔力を回復させるでし……）
