第17話 とある野原
文字数 433文字
僕は大きな木の下に立っていた。周りを見渡すと、脱色したような色のない草花が咲く野原で、空には厚い雲がかかっていた。
……ふと、暖かい北風が僕の頬をかすめた。どこか懐かしさを感じるその風のぬくもりを、より強く感じようと僕は目をつむる。
「あった、あったよ」
すると、風に乗って聞き覚えのある嬉しそうな声が野原に響き渡った。僕が目を開けて振り返ると、女の子が、その野原で唯一色のついた赤い色の花を手に取って僕に見せていた。
「そうそう、その花だよ。すごいね、良く見つけたね」
「じゃあ、そろそろお弁当食べよっか」
そうして、僕と女の子は大きな木の下で、折りたたみ式のツインチェアに座って、楽しそうに弁当を食べていた。
――すると、野原の草花は徐々に色がつき始め、彩り豊かな風景が広がり、空もいつのまにか晴れ渡っていた。隣に座っていた女の子はいなくなり、持ってきた赤い花は白い花へと変わっていた。
そして、女の子が座っていた場所には真っ白な蝶がひらひらと泳ぐように飛んでいた。
……ふと、暖かい北風が僕の頬をかすめた。どこか懐かしさを感じるその風のぬくもりを、より強く感じようと僕は目をつむる。
「あった、あったよ」
すると、風に乗って聞き覚えのある嬉しそうな声が野原に響き渡った。僕が目を開けて振り返ると、女の子が、その野原で唯一色のついた赤い色の花を手に取って僕に見せていた。
「そうそう、その花だよ。すごいね、良く見つけたね」
「じゃあ、そろそろお弁当食べよっか」
そうして、僕と女の子は大きな木の下で、折りたたみ式のツインチェアに座って、楽しそうに弁当を食べていた。
――すると、野原の草花は徐々に色がつき始め、彩り豊かな風景が広がり、空もいつのまにか晴れ渡っていた。隣に座っていた女の子はいなくなり、持ってきた赤い花は白い花へと変わっていた。
そして、女の子が座っていた場所には真っ白な蝶がひらひらと泳ぐように飛んでいた。