一文小説集「香水」等三篇

文字数 173文字

「香水」

 姉が母の墓石にふりかけた香水を拭き取って、私は私が母に似合うと思う香水を墓石にふりかける。

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「確率」

 産婦人科医は、私の妻が産んだサイコロの出目の確率を詳しく調べ、きちんと六分の一だと太鼓判を捺してくれた。

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「花」

 ホームレスの老婆が、町じゅうの花屋を巡って、店先に落ちている花びらを拾い集めている。
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