一文小説集「泉」等五篇
文字数 204文字
「泉」
オフィス街のビルとビルの間に、サラリーマンの涙で満たされた泉を見つけた。
「川」
眠れない夜、女のことばかり考えてしまうので、脳味噌を取り出して、家の前の川で冷やす。
「給仕」
扇風機たちの婚活パーティーで風鈴を給仕する。
「缶ビール」
泥棒しに入った家の冷蔵庫に「泥棒へ」と書かれた缶ビールが冷えていた。
「ペン」
蝶に生まれ変わったが、やっぱり私は詩を書きたいので、ペンを持ち上げようとするが、重すぎる。
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