一文小説集「夕日」等三篇

文字数 149文字

「夕日」

 孤独な老婆が、沈んでいく夕日に向かって、もう少しゆっくりしていきなさいよ、と声をかけている。

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「音」

 夏の空から聞こえてくる、入道雲が脱皮する静かな音に、時々風鈴の音が混じる。

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「指」

 弟の幽霊が、ポテトチップスを食べた後の指を舐める私を、睨んでいた。
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