第11話 村雨円楽店
文字数 1,723文字
「だっはぁーーー!、負けた負けた!」
「ぁあ、あっついねわぇ、もお!」
地面に大の字になって伸びているのは、魔理沙さん。
運動(?)をしたせいでものすごく汗をかいているのは、霊夢さん。
「二人とも、すごかったですよ!、これ、冷えたお茶です。あと汗を拭く手拭です」
「お、気が効くじゃない。ありがと」
「今日一番のナイスプレイは祐也だぜ……サンキューだぜ」
あなたは、謎の箱(少なくとも冷蔵庫ではなかったようです)で冷やしたお茶を二人に振る舞います。
「それにしても霊夢、なんだかいつもより気合が入ってなかったか…?今日のは一段とヤバい弾幕だったんだが」
「いつも通りよ、あなたが暑さでバテてるだけじゃないかしら」
「それはあり得るな。このまま帰ったら、途中で墜落事故を起こしかねないぜ。てことで、ちょいとお邪魔するぜー」
「まあ暇だしいいけど」
そう言って、霊夢さんと魔理沙さんは、社務所に向かって行きます。
あなたも、その後ろをついて行きました。
社務所の中は、それはもう涼しいです。
日本建築は偉大なり、風通しは良く、それでいて冷気は逃げません。
霊力的ななにかが施されているやもしれませんが、畳のひんやりと柔らかい感触、落ち着く木材の匂いは、日本ならではのものです。
三人はしばらくの間、その素晴らしい空間を堪能していました。
「……あ、そういえば」
「…………何よ」
魔理沙さんが静寂を破ります。
「人間の里に、なんか妙に洒落た店ができたらしいぜ。しかも一晩で。でも、店員も主人もいないし、店の奥に行こうとしても、妙な結界が張ってあってな。」
「…………はぁ?」
「んで、これが面白いんだが、その店の看板にはこう書かれてんだ。『村雨円楽店』って。」
「はぁ?」
霊夢さんは、素っ頓狂な声を上げました。
「絶対、紫の仕業よ!」
「だな。」
「えぇ、私ね。」
お茶を飲みながら霊夢さんと魔理沙さんの話を聞いていたあなたは、むせてしまいます。
突如あなたの目の前から、紫さんが現れたのですから。
「ちょっと、大丈夫?!」
「おい種悪の根源!急に出てくんな、だぜ!」
「ゴホッ……ちょ、紫さん?!きゅ、急に出て?!」
「ちょっと紫?……あなた、出るにもタイミングっていうもんがあるでしょうが。」
「そうだぜ……さすがの私も、ちょっと引いたぜ。」
「……反論はできないわね……祐也、私が悪かったわ。ごめんなさい」
始めは『どっきり大成功♪』という顔をしていた紫さんですが、今はとてもしょんぼりしています。
「いや、大丈夫です、顔をあげてください!ぼ、僕もほら、油断してましたし……」
「まったく……それで、種悪の根源さん。このことについて、話があるのでしょう?」
「えぇ。まあ、端的に言っちゃうと、その『村雨円楽店』は、私からのプレゼントよ。もちろん、村雨祐也、あなたにね。」
紫さんは、あなたにニコッと微笑みます。
「怪しいわね。」
「怪しいぜ。」
「えぇと、あ、怪しい、です?」
「まあ、聞いて頂戴。」
そう言って、紫さんは咳払いをします。
二人はジトッとした目で紫さんを見ていますが、紫さんは顔色一つ変えません。
「祐也は、とある能力が使えるの。この子の先祖が使っていたものね。ね、祐也?」
「あ、はい、先祖様が使っていたのははじめて知りましたけど、はい。それらしいものはありますね。」
あなたはそう答えました。
霊夢さんは驚愕し、魔理沙さんは感心の様子です。
「ちょっとあんた、私、そんなこと知らなかったわよ!」
「はぁー、なるほど。それで連れてきたのか。」
「で、その能力は、時と場合によっては危険だから、なるべく危険を排除するために、私のプレゼントがあるわけね。」
「待って頂戴。その能力がなんなのか、私たち二人は聞いてないわよ。」
「そうだそうだ!紫だけずるいぞーー」
「わかった。わかったから、もう全部話すわよ!それでいい?」
その紫さんの言葉に、霊夢と魔理沙さんは、縦に首を振るのでした。
「ぁあ、あっついねわぇ、もお!」
地面に大の字になって伸びているのは、魔理沙さん。
運動(?)をしたせいでものすごく汗をかいているのは、霊夢さん。
「二人とも、すごかったですよ!、これ、冷えたお茶です。あと汗を拭く手拭です」
「お、気が効くじゃない。ありがと」
「今日一番のナイスプレイは祐也だぜ……サンキューだぜ」
あなたは、謎の箱(少なくとも冷蔵庫ではなかったようです)で冷やしたお茶を二人に振る舞います。
「それにしても霊夢、なんだかいつもより気合が入ってなかったか…?今日のは一段とヤバい弾幕だったんだが」
「いつも通りよ、あなたが暑さでバテてるだけじゃないかしら」
「それはあり得るな。このまま帰ったら、途中で墜落事故を起こしかねないぜ。てことで、ちょいとお邪魔するぜー」
「まあ暇だしいいけど」
そう言って、霊夢さんと魔理沙さんは、社務所に向かって行きます。
あなたも、その後ろをついて行きました。
社務所の中は、それはもう涼しいです。
日本建築は偉大なり、風通しは良く、それでいて冷気は逃げません。
霊力的ななにかが施されているやもしれませんが、畳のひんやりと柔らかい感触、落ち着く木材の匂いは、日本ならではのものです。
三人はしばらくの間、その素晴らしい空間を堪能していました。
「……あ、そういえば」
「…………何よ」
魔理沙さんが静寂を破ります。
「人間の里に、なんか妙に洒落た店ができたらしいぜ。しかも一晩で。でも、店員も主人もいないし、店の奥に行こうとしても、妙な結界が張ってあってな。」
「…………はぁ?」
「んで、これが面白いんだが、その店の看板にはこう書かれてんだ。『村雨円楽店』って。」
「はぁ?」
霊夢さんは、素っ頓狂な声を上げました。
「絶対、紫の仕業よ!」
「だな。」
「えぇ、私ね。」
お茶を飲みながら霊夢さんと魔理沙さんの話を聞いていたあなたは、むせてしまいます。
突如あなたの目の前から、紫さんが現れたのですから。
「ちょっと、大丈夫?!」
「おい種悪の根源!急に出てくんな、だぜ!」
「ゴホッ……ちょ、紫さん?!きゅ、急に出て?!」
「ちょっと紫?……あなた、出るにもタイミングっていうもんがあるでしょうが。」
「そうだぜ……さすがの私も、ちょっと引いたぜ。」
「……反論はできないわね……祐也、私が悪かったわ。ごめんなさい」
始めは『どっきり大成功♪』という顔をしていた紫さんですが、今はとてもしょんぼりしています。
「いや、大丈夫です、顔をあげてください!ぼ、僕もほら、油断してましたし……」
「まったく……それで、種悪の根源さん。このことについて、話があるのでしょう?」
「えぇ。まあ、端的に言っちゃうと、その『村雨円楽店』は、私からのプレゼントよ。もちろん、村雨祐也、あなたにね。」
紫さんは、あなたにニコッと微笑みます。
「怪しいわね。」
「怪しいぜ。」
「えぇと、あ、怪しい、です?」
「まあ、聞いて頂戴。」
そう言って、紫さんは咳払いをします。
二人はジトッとした目で紫さんを見ていますが、紫さんは顔色一つ変えません。
「祐也は、とある能力が使えるの。この子の先祖が使っていたものね。ね、祐也?」
「あ、はい、先祖様が使っていたのははじめて知りましたけど、はい。それらしいものはありますね。」
あなたはそう答えました。
霊夢さんは驚愕し、魔理沙さんは感心の様子です。
「ちょっとあんた、私、そんなこと知らなかったわよ!」
「はぁー、なるほど。それで連れてきたのか。」
「で、その能力は、時と場合によっては危険だから、なるべく危険を排除するために、私のプレゼントがあるわけね。」
「待って頂戴。その能力がなんなのか、私たち二人は聞いてないわよ。」
「そうだそうだ!紫だけずるいぞーー」
「わかった。わかったから、もう全部話すわよ!それでいい?」
その紫さんの言葉に、霊夢と魔理沙さんは、縦に首を振るのでした。