さっきの続き

文字数 685文字

 元夫の家からの帰り道、大学のスクーリングはわざと受けずに一人暮らし資金と猫を飼うための貯金にしようか考えた。
 かつての愛猫は、本当に可愛くて僕がいなくても全然平気そうだった。
 まあ、それでいい。

 僕が諦められないのは、元夫だ。
 元夫には、「私の何がダメだったの?」と数回ラインで訊いたが、はぐらかされるばかりだ。
「僕には新しい生活があるので、桃野の気持ちに応えることはできない」とか。
 こんなんじゃ納得できない。
 あの日、元夫はほぼ何も言わずにに僕を追い出した。
 それが、謎で謎で仕方ないのだ。
 未来が考えられないほどのこと僕は果たしてしただろうか。
 それともそういうのが積もり積もったのだろうか。
 私は、元夫とよりを戻せるとは思っていない。
 願っているのは、破滅だ。
 もちろん自分自身の。
 夫に、虫ケラのように見られて拒絶される。
 そんでストーカーかなんかで御用になる。
 そんな破滅を願ってる。
 思いっきり拒絶されない限り、僕には「エンドマーク」が見えないのだ。
 たぶんそのうち、ストーカーで接近禁止令出ると思う。
 まあ仕方ない。
 というか、今日したことでも既にまずいことなのだ。
 でもまぁ、これでいいと思う。
 まだ好きだから、必要だから、どうしようもない。
 ただやはり、今の女性のどこに惚れたのかが僕にはわからない。
 元夫は、「俺の趣味は桃野だし」と言ってくれた。
 その時は、「そんなに私のこと好きなの!?」と驚き呆れたが、なんて贅沢だったんだろう。
 あぁ破滅したい。
 この思考の方がある意味健全に生きていける。
 元夫のこれからの幸せを願えるほど、良い心してない。









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