炸裂!鳳凰団の逆襲!!
文字数 4,705文字
【鳳凰団】
フェニックス様に何て言お~~~!!!!!
今日もいつものごとくメイン勢に成敗され、ぶっ飛ばされる鳳凰団。
ドッス~ン!!!そのまま地面に尻から激突した。
【孔雀】
ムッキーーー!!! またしてもやられるなんて~~~!!!!
【??】
ふっ、またやられたんですか、相変わらずですね。
【孔雀】
誰だい!? こそこそ隠れてないで出て来な!!
木の陰から現れたのは、グレーのスーツに身を包んだ眼鏡の年配の男だった。
見るからに意地悪そうな表情をしている。
【ツバメ】
てめぇかぁ、おいらたちの悪口言うクソッタレは!?
【??】
おやおや、クソッタレとは人聞きの悪い。
子供がそんな汚らしい口を利くなんて、親の顔が見てみたいものです。
【孔雀】
そう言う減らず口叩くおバカさんはどこのどいつなんだい!?
悪口言うならね、先に自分の名前名乗ってからにしな!!
【??】
おっと失礼。私、フォルダンと申します。
ですが覚える必要はありませんよ、鳳凰団などと言う負け組には縁なき者ですので。
フォルダンと名乗る男は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
【孔雀】言われなくても分かってるわよ!!
行け、ザコガラス!!!
すかさずザコガラスを呼び出す鳳凰団。そのまま凄まじいスピードでフォルダンに襲い掛かる。
しかしフォルダンは軽々と、ザコガラスの突進をかわした。
ゴンゴンゴン!!
その足で鳳凰団の元へ跳び、持っていた杖での一撃を、それぞれ一発ずつお見舞いする。
【フォルダン】
ふっ、やはり負け組の名の通りのようだ、本当に弱過ぎる。
【フォルダン】
まぁせいぜい、負け組の称号を捨てぬよう頑張る事ですね、ハハハハ!!
ではごきげんよう!!
3人を嘲笑いながら、フォルダンはその場を去って行った。
【ツバメ】
ふざけんなよぉ、あのクソッタレ野郎~!!!
【イーグル】
オレ、ああ言う意地悪な奴、大っ嫌いだガー!!!
【孔雀】
おのれ~、よくも馬鹿にしてくれたわね~~~!!!
絶っっっっ対許さないわ!!!!!
当然のごとく、3人共怒りに震えていた。彼らは悪者ではあるが、ああ言った精神的に人を傷付ける行為は大嫌いなのだ。
やはり彼らでも、あのような連中は到底許せない。
【孔雀】
仕方がない!
信者を増やす活動は、あのフォルダンとか言う性悪クソ眼鏡をやっつけてからよ!
【ツバメ】
なるほど、その作戦なら行けそうですぜ!
あいつ、見た所魔法は使えなそうだったし!
【孔雀】
当たり前じゃないの、このアタイ程の天才はいないわよ!
んじゃそうとなれば早速行くわよ、お前たち!!
3人はフォルダンに仕返しすべく、作戦決行へと乗り出した。
その少し経った後。フォルダンは一人で人気(ひとけ)のない森を歩いていた。
少し離れた木の陰から、鳳凰団がこっそり彼を覗いていた。
【孔雀】
(うふふ、ご機嫌で歩いてられるのも今のうちよ!)
鳳凰団の仕返しが実行されようとしている事など知る由もなく、フォルダンが一歩踏み出した次の瞬間。
ズボッッッッッッッ!!!!!!
【フォルダン】
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
フォルダンは鳳凰団が掘った落とし穴にまんまとはまった。
【ツバメ】
ひゃひゃひゃ!!
こんなショボい落とし穴に引っかかるなんて、オッサンのくせに情けねぇなバーカ!!
【孔雀】
どのルートでここに来るかは分かってたわよ、だから待ち伏せしてたって訳さ!
【イーグル】
作戦成功だガー、あのミライって奴のチカラ、役に立ったガー。
実は彼ら、時野ミライ(※後述に紹介文あり)に頼んで予知能力を使い、フォルダンがここを通る事を予め教えてもらっていたのである。
当然最初は警戒されたが、事情を説明して頼み込んだらしぶしぶだが引き受けてくれた。
今回のターゲットはフォルダンなので、もちろん彼女に危害等は加えていない。
【フォルダン】
ふっ、こんな落とし穴ごときで私を打ち負かす事など…。
落とし穴から脱出すべく、フォルダンは思いっきり地面を蹴ろうとした…出来なかった。
何と落とし穴の底には“とりもち泥”と呼ばれる非常に粘着性の強い泥が敷き詰められており、そこに両足が埋まり抜けなくなっていたのだ。
【孔雀】
ふんっ、そうする事くらい最初からお見通しなのよ!!
【ツバメ】
とりもち泥を敷き詰めといて正解だったぜぇ!!
【ザコガラス】
ア"ァァァァァァァァァァ!!!!!!
ドガガガガガガガガ!!!!
ザコガラスたちがフォルダンの頭をつつきまくる。
【フォルダン】
いだだだだだだだだっ、やめろ、やめなさい!!!!
流石のフォルダンも今の状態ではかわす事が出来ず、思わず頭を抱えうずくまる。
持っていた杖も、先程落とし穴にはまった衝撃で落とし泥に半分埋まってしまい、使い物にならない。
【ツバメ】
へっへ~ん、どうだ!
ザコガラスの恐さを思い知ったかってんだぁ!!
【イーグル】
そろそろ来るガー、ザコガラス退散、だガー。
ザコガラスが突如つつき攻撃をやめ、落とし穴の外へ飛び去った。
ポコポコポコ…。どこからともなく水泡の音がする。
ドドドドドドドドドドドド!!!!!穴の底から高温の熱湯が一気に沸き上がった。
そう、ここは間欠泉が出る地帯だったのだ。しづキャラワールドの住人であれば誰もが知っているが、彼は現実世界の人間の分身であるが故に知らなかったのである。
しかもこの辺一帯は源泉に近いため、噴き出すお湯の温度は約80℃と、とてつもなく高い。
【フォルダン】
ぎゃあああああああ、あちちちちちちっ!!!!!
当然フォルダンも熱湯を浴びながら、一緒に外に吹き上げられた。
そのまま熱湯の噴水に遊ばれる彼。
【孔雀】
あーっはっはっはっ!!湯加減はどうだい!?
【フォルダン】
あちっ、あちっ!!
だ、誰か助けてくれ~~~!!!
そりゃたまったもんじゃないだろうな、80℃近い熱湯を浴びていれば。火傷しないのが不思議なくらいだ。
そしてここは森の中。人は滅多に通らないので、もちろん助けてくれる人もいない。つまり今、彼ら以外は誰もいない。
そんな事はどうでもいいとして、やがて間欠泉の噴水は終わりを告げ、落とし穴の中に勢い良く引っ込んで行った。
ドス~ン!!!噴水から放り出され、再び地面に激突するフォルダン。
【ツバメ】
へっ、てめぇを性悪な性格に育て上げた、親の顔が見てみたいぜぇ!!
ひゃひゃひゃ!!!
【孔雀】
ウチらを馬鹿にすると痛い目を見るって事、分かったかい!?
3人はすっかりボロボロのフォルダンの前に立ちはだかる。
【孔雀】
さぁ~て、どうとどめを刺してやろうかねぇ。
コキコキと指を鳴らす孔雀。3人の怒りに満ちた笑顔は、ものすごい威圧感を放っていた。
【フォルダン】
わ…私は本当の事を言っただけだ、それの何が悪い!?
【孔雀】
あーら、この期に及んでまだ懲りてないのかしら?
【ツバメ】
こいつ根っからの性悪みたいっスね…。
たぶんもう一生治りやせんぜ姐御。
【孔雀】
そうみたいだね。
イーグル、やっておしまい!!
イーグルが歩み寄り、ガシッとフォルダンの両足を引っ掴んだ。
フォルダンも必死に抵抗するが、相手は屈強な人造人間の大男。
もはや逃げられるはずがなかった。
そのまま猛スピードで回転するイーグル。見事なジャイアントスイングだ。
【イーグル】
お前なんか、しづキャラワールドにいらないガーーーーーー!!!!
ポーーーーイ!!!!勢いに乗って、イーグルはフォルダンの足を離した。
【フォルダン】
ギャーーーーーーーーーーーーーー!!!!
キラリーン。フォルダンはそのまま、お空の星となった…。
【孔雀】
おーっほっほっほっ、鳳凰団を散々コケにした罰だよ!!
【孔雀】
ウチらはねぇ、ネチネチ精神的に貶めるような、性悪おバカ連中とは違うんだからね!!
【ツバメ】
そうだそうだ、あんな陰湿な奴らと一緒にすんな~!!
【イーグル】
オレたち、これからも正々堂々、メイン勢と戦うガー!!
見事勝利をおさめた鳳凰団は、夕暮れの森の中で高らかに笑うのであった。
一方、その様子を管理空間で見ていたポジ詩月とネガ詩月。
【ポジ詩月】
へー、鳳凰団でもたまには良い事すんだな~。
【ネガ詩月】
そりゃあんな嫌味言われれば、流石の彼らでも腹が立つわよ…。
【ポジ詩月】
だよな、とりあえず今回はよくやったZE、鳳凰団!!
【ネガ詩月】
同感ね。
このフォルダンとか言う奴、永久追放措置をとっておきましょう。
結果的にフォルダンはしづキャラワールドから永久追放され、二度と入って来れないようになりましたとさ。
おしまい。
【今回の主要以外の登場人物】
====================
【フォルダン】→ワールドにおける平和な日常の妨げとなる存在『迷惑連中』の一人(※この立場の敵は原則1回しか登場せず、味方サイドに成敗された後必ず永久追放される。立ち絵は描かないので基本シルエット)。
やられ役である鳳凰団を馬鹿にしたために彼らの逆鱗に触れ、お仕置きされた後に永久追放処分を食らった。
実は前の職場にいた、作者に酷い嫌味を言って来た上司をモデルにしている。
【ザコガラス(Zakogarasu)】
→鳳凰団がその辺のカラスを改造して誕生した、戦闘用に特化されたカラス兵士。組織の下っ端として大量に存在する。改造されているため夜間でも活動可能。
幹部クラス以上の者の命令しか聞かず、鳳凰団以外の者は徹底的に攻撃するように訓練されている。
1羽では話にならないくらい弱いが、これが複数に増えると戦闘能力のない一般人はたまらない(※幹部トリオは最低でも5~6羽以上召喚する)。
ちなみに頭の冠のようなツノは羽毛が変異して硬化したもの。
【時野ミライ(Mirai Tokino)】→名前のみ登場。時を操る能力を持つ14歳の少女(※詳細はプロフィールに掲載の本拠地ブログにて)。
ただし普段は生身の人間でこの能力はある機関に管理されており、必要に応じた時のみ使用可能。
今回鳳凰団に頼まれて特別に力を解放、フォルダンの成敗に協力する。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)