ダリアの花言葉
文字数 3,629文字
ネガティブな内容が含まれているので、閲覧の際はご注意下さい。
なおこのエピソードに関する苦情等は一切受け付けませんので悪しからず。
ここは季節毎に植えられる花が異なる事で有名な、ちょっとした観光地になっている。当然この日も多くの客で賑わっていた。
ちょうどこの時期は様々な色のダリアの花が咲き乱れており、とても美しかった。
そんな中目の前に咲いている、白いダリアの花をじっと見つめたまま動かないネガにいち早く気付いたのは、メトロとノームだった。
言われた通り、一行は円形になって座る。
まぁそれだけ厳重に管理している情報なのだろう。
実は詩月は過去に別のサービスでブログをやっていた頃、仲が良くて友達だと信じていたとある女性ブロガーに、実際に『裏切り』を受けた事があった。
悪い事も不快に思う事も特にした覚えはないのに、このブロガーから『生理的に受け付けない』と言うあまりにも理不尽な理由で、突然何も言わずに相互リンクの解除及び、詩月がしたコメントを全て削除されると言う最低の行為をされた。
詩月はそれを知った後、深く傷付き、数日間落ち込んだと言う。
ついこないだまで信じて頼りにしていたこの人物が、この瞬間、憎悪の対象になるのを感じた。
当然のごとく、彼女はこのブロガーが大嫌いになった。その全ての関わりを断ち切った。
詩月が今も他のサイトでほとんどコメントをしないのは、主にこの出来事が原因だと言う。
当時はそれだけ、現実世界の人間全てが信用出来なくなっていたのだ…。
慌てて怒る2人をなだめるパト。
無論これが正常な人の反応とも言えるが。
今度はポジ&一行が総出で、ネガをなだめる。
時は経ち、夕焼けに染まったハーモニーシティ。ネガを落ち着かせて元の姿に戻した一行は、管理者コンビに見送られて帰路につく所だった。
その言葉を聞き、一行はとびきりの笑顔を見せた。
一行を見送った後、ふとネガは収納空間から例のダリアの一輪挿しを取り出す。
そして2人はゆっくりと歩み始めた。
白いダリアの花言葉は『裏切り』。
しかしその逆、プラスの意味では『感謝』と言う花言葉も存在している。
おしまい。
(ログインが必要です)