20「その後」

文字数 1,204文字

「…」(もぞもぞ)
意外と1人で着れるな
(コンコン)「ハルカ〜?着替えられた?」
「うん 着れたよ」(ガチャッ)
「病院行くよ」


「…えぇ…ハルカさんの腕なんですけど…」
「はい……」
「えぇ…見えますか?切断されているみたいな感じでねぇ…私達も調べてるんですが…」
「切断…!?」
「あぁ そうですか」
「えぇ…多分…もう治らないかなぁ…?」
「そんなッ…」
「…君…驚かないねぇ…強い子だ」
「っす」
まぁ切れてるのとか 切れた腕とか見たしね
大切な人が3人死んで その死に際も見た
沢山の敵を惨殺して 重たい武器を振るった
「こんな事で驚かないっすよ」
「…凄い子だねぇ……えぇ…とカルテはぁ…
ちょいと探してくるのでお待ちを……」(タッ…)
(ガヤガヤ)「…光希ッ……なんでよッ…!」
「ッ!」
え 光希? あぁ お母さんか
(ワイワイ)「立夏はッ…なんでッ…なんでッ…」
立夏のお母さんか 綺麗な人 立夏にそっくり
(タッタッタ…)「先生ッ!叶は…叶はっ?!」
叶…あぁ 先生の下の名前ね そっかぁ
「一気に3人…?朝のニュースのかしら…」
「そだね うるさいかも」
「こらハルカ…」
お母さん あたしがみんなの死に際見たって言ったらどんな反応するんだろうな 驚くかな
「えぇ…すみませんね…えぇっとハルカ…さ」
「先生」
「…どうされましたか?」
「今朝の人達ですか 外が騒がしくて」
「あぁ…はい そうですよ」
「ちょっと行かせてもらっても あたしその人達に助けてもらった覚えがありまして」
「ハルカ!?どうしたの…?」
「えぇ…まぁ大丈夫ですが…本当ですか?」
「はい 間違いなく あたしの恩人です」

「……」
やっぱり 叶先生と立夏と光希だ
「…お知り合いなんですよね?」
「はい 命の恩人です」
「恩人が亡くなるなんてねぇ…お気の毒に」
「こっちでは苦しそうじゃなくて良かった」
「こっちでは…?」
「あ なんでもありません すみません」
「この方達とはどこで知り合ったんです?」
「…高校で知り合って…元々はお互いがお互いを認識してる程度だったんですが……ある場所で偶然出会って もっと仲良くなりました
笑いあったり 慰めあったり 喧嘩したり 短い間でも沢山の思い出をくれました 優しい人達でした この人達が居なかったらあたしは死んでた」
「…ハルカさんの腕と…この人達の死は関連があったりしますかねぇ…?」
「……いいえ」

文化祭 みんなで行きたかったなぁ
明日学校行ったらどうなってるかなぁ
マスコミとか色々来てんのかなぁ
なんか聞かれたりすんのかなぁ 嫌だなぁ
「ハルカ〜」
「ッ何」
「色々分かるまで三角巾取らないでね」
「分かった」
「他に以上無いから明日から学校行けるよ」
「うん」
学校行きたくねぇ〜!
友達が居ない学校って行く意味あんのかな
はぁ辛い辛い きもいきもい
なんかもう あたしなんも残ってないなぁ
生きてても辛いだけ 死んだりはしないけどさ
生き地獄ってこういうことなんだなぁ

続く……?
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